コンテンツへスキップ

ヨーロッパでの高齢者運転免許更新に関するケース・スタディー

2015/12/20

PubMed Traffic Inj Prev. 2008 Aug;9(4):360-6. doi: 10.1080/15389580801895160.

The licensing of older drivers in Europe–a case study.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18696393

目的

ヨーロッパの国々では、いろいろな方式の運転免許更新手続きを実施している。

それらの中には生涯有効な免許保持の国から、70歳から3年ないし5年間隔で更新を要求し、その際、医療的な健康状態の自己申告を要求するところから、医療検査を要求する国、また45歳から5年毎の更新を必要とする国まである。

このような多様なヨーロッパ各国の高齢者の安全性と制度との関連について調べる。

方法

フランス、オランダ、イギリス、デンマーク、フィンランド、ノールウェイそしてスウェーデンの7か国について。最も規制の緩い国から最も厳しい医療検査を要求する国までについて研究を行った。

結果

免許更新方式の違い。医療検査の要求のあるなしにかかわらず、どの方式でも65歳以上の運転者の総合的な道路安全に効果があった証拠は見出せなかった。

最も更新条件の緩やかなオランダとイギリスにおいて、65歳以上のドライバーは最低の死亡率であり、(条件を緩やかにした)フランスでは急速に低下しています。

結論

厳格な運転免許基準は高齢者の運転免許の保持率を下げることになる。基準の緩やかな、フランス、オランダ、イギリスは65歳以上の高齢者の免許保有率は最も高い。

約半数のヨーロッパ諸国での交通死亡統計の分析の結果、65歳以上の高齢者の事故死リスクは、車の運転より歩行者としての方が危険が大きい。

____________

私のコメント

ヨーロッパの国々は、運転免許制度ばかりでなく言語も異なるにもかかわらず、自動車運転での移動は自由である。アメリカ、カナダ、オーストラリアでは、道路交通法は国ではなく州法であり、免許基準や法規は国内でも異なる。しかし州境を超えての運転は自由である。

したがってこれらの国々では、高齢者免許に限らず運転規則、道路標識まで、道路利用者による安全性に関する検証、あるいは比較が可能で、常に改善されている。

 

日本では、高齢者の歩行・自転車利用の事故死亡者がヨーロッパ諸国の何倍も多い。その理由のひとつが高齢者の運転免許保有率が少ないことが原因している、にもかかわらずこの事実を理解せず、益々高齢者の機動性を奪う交通政策を進めている。

また、世界の先進諸国では常識化されている統計認識に無知で、個々の事例をあたかも普遍的事実のように見せるテレビメディアのドキュメンタリーの氾濫、これを信じている交通関連の自治体関係者や個人が多い。

せっかくここまで来た世界でトップクラスの道路安全な国から、高齢化による歩行者の増加が原因の交通死者の増加、また交通死者の多い国に転落させることになることに気が付かない不思議さが理解できない。

なお、この論文の全文は有料なので参照していない。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。