高齢患者に対する多剤処方薬剤数の実態と薬物有害作用の発生
2015/08/28
下のグラフは国立長寿医療センターの入院データベースから65歳以上内服薬を服用していた患者2001名を対象にした解析結果を描いたものである。
高齢者に対する多剤投与等による影響把握と奨励別の投与選択法に係る研究。
http://www.ncgg.go.jp/ncgg-kenkyu/documents/21/21si-21.pdf
多くの専門研究者から注目されているこの研究所のデータでも平均処方薬剤数は患者一人当たり4.9剤と報告されている。
高齢者は一般に複数の診療科または医院にかかっている場合が多く、医師が処方する処方箋を統一的に処理するシステムが働かない限り、薬剤数が増加するのは必至であろう。
わたくしの場合、同一病院のみで受診しているが、2診療科に亘っている。この病院では医療記録はコンピュータ化していて関係医師は共通してみられるがそれでも処方されている薬剤数は8、朝夕合わせて10回の服用が必要である。
わたくしの場合、良いことではないと知りつつ、自己責任で処方されている2薬剤を中止している。
現行の外来医療システムでは、担当医が患者の履歴やエビデンスを詳細に分析する時間はないと見るのが実情であろう。医師の経験的直観による判断を信頼するしかないシステムである。
医師からの一方的説明を聞くことはできるが、データの分析に基づく議論をする体制にはない。
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