理研 今回の間違いは、本来は多くの専門研究者の評価で決まるはずの論文を、出版された段階で外野がさわぐよう演出してしまったことにあると思う。
2014/12/20
「今回の検証は、科学的やり方ではない。犯罪者扱いは科学にあってはならない」相沢慎一特任顧問
科学は教科書の確認作業ではない。教科書にない事実、または教科書の間違いを指摘する作業である。もちろん論文の評価は同じ研究をしている科学者間で検証に耐える論理的説得が必要である。
その意味で、論文を公表することで初めて学会で批判を受けたり間違いを指摘されることになり、それは科学の発展の過程における作業といえる。
権威ある学会誌とは、同業の研究者間で検証したり討論に値する価値があると判断した論文を出版することにあり、そのような学会誌は多くの人に読まれ引用されることになる。
弁護士やメディアが騒がなくても、論文が科学者の間で評価が得られなければ消え去るものである。
今日の自然科学の研究には、多くの人材と最先端の研究設備が必要で、それに伴い高額な経費が必要である。そして、それぞれ専門の相互の信頼関係の上に成り立っている。この様な研究を始めようとすれば、研究目的の他、代表提案者ばかりてなく共同研究者全員の専門業績のリスト、成果の予想・価値などの研究提案書を作成し、それが該当機関で認められて初めて承認されるのである。
したがって、計画通り成果が上がらなかったとしても、その事実だけで詐欺呼ばわりされることはない。
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