道路の標識速度と実勢速度の関係 OECD各国のデータ
日本の道路の標識ポストに書かれている速度標識は道路の実情に合わせた運転者の安全情報としてではなく、道路の管理区分で決められた規制速度であることは以前のブログに書いたとおりである。https://spaceglow.wordpress.com/2013/03/24/安全運転のための道路情報になっていない速度制/、
世界の実情はどうであろうか。OECDのデータベースに発表している国の状況を下表にまとめてみた。各欄の表示は、分子は実勢速度と規制速度との差を規制速度に対する%比であらわしたもの、分母は規制速度である。
住宅地のデータを発表しているのはベルギーだけであるが30km/hに対し超過速度が8%、市街地では、各国とも50km/h制限に対し最高10%(5km/h)超過、郊外一般道路では、70~80km/hに対しー3~+5%(4km/h以下)、自動車道では100km/h~130km/hに対し-5%~+4%(5km/h以下)となっていて、非常に速度標識と実勢速度との乖離は少ない。
これを見て、日本人は運転マナーが悪いといいたい人もいるだろうがちょっと違うように思う。
一般に、道路の速度制限を設定するに当たり、その道路環境での走行実態を測り、約80%の車の走行速度の最高値(80パーセンタイル)に近い速度で決めているといわれている。言い換えれば多くの運転経験者が妥当だと同感できる制限速度であるといえる。
このようにして制定された制限速度は、郊外の一般道では80km/h~90km/hが普通であり、速度の速い自動車道では、一般に110km/h~130km/h、普通の運転者にとって納得できる制限速度であるとともに、この速度では通り抜けられないカーブや、学校、遊園地、居住地域ではその手前に減速を指示する予告標識があり、標識は運転者の安全情報としての機能をしている。
日本では、実勢速度が規制速度を上回っていることを前提に低めに設定されていて、大多数の運転者を犯罪者扱いにした権力構造になっている。
先に書いたように日本の道路標識は道路管理単位での標識であり、道路の現場の状態とは関係なく、強いて言えば、急カーブとかカーブがきつい、といった漠然とした標識があることもあるが、それらは事故になっても道路管理者の責任にならない範囲での注意情報である。
私は、オランダとドレスデンの郊外道路でスピードカメラに掛り10%ちょっとのスピードオーバーで罰金を科せられたことがある。ヨーロッパでは、いろいろな国からの車が交雑して走行している。交通法規も州や国によって異なり、運転環境も日本のように一様ではない。スピードカメラ監視システムは人々が地域によって異なる標識に対する注意を喚起し、交通安全システムとして機能していると思う。