財団法人 環境科学技術研究所の詭弁
「原子力発電所ではウランの核分裂に
より様々な核分裂生成物が発生し、その発生す
る元素の中にクリプトン85 とキセノン133 と
呼ばれる希ガスの放射性同位体が含まれていま
す。これら希ガスの放射性同位体は燃料棒の中
にガスとして溜まった状態になっています。」
この文章は、財団法人 環境科学技術研究所 広報・研究情報室 が平成20年1月31日付けで発行しているウェブから取ったものです。
http://www.ies.or.jp/japanese/mini/mini100_pdf/2007-06.pdf
これはよいとして、問題は、「キセノン133
は半減期が約5 日と短く、燃料棒が使い終わっ
て核分裂が停止しキセノン133 の発生が無く
なってから、燃料棒の取出し、運搬、燃料棒切
断までの間に十分な時間があるため、ほとんど
安定なセシウム133 に変わってしまいます。」
と書かれていることです。
この文章の言葉尻からだけで見れば間違いではありませんが、この報告書の趣旨”使い終わった核燃料の加工作業は安全である”との広報としてみれば重大な嘘になります。
確かに、核分裂生成物にキセノン133が含まれていることは事実ですが、核分裂生成によるキセノン同位体は133だけではあいません。
たとえばキセノン137があります、これは半減期が3.8分と短いので通常環境からは検出されません、だからといって安全とはいえません。放射性物質は無くなるのではなく他の物質に変わるだけです。キセノン137はセシウム137に変わり、これは放射性物質です。放射性セシウムの体内被曝による危険性については昨今のメディアで問題にしている周知の物質です。
この事実は、
地震直後に放射性キセノン・ガスXe-133の大量放出があった可能性大 10月20日公表のヨーロッパ学会誌 «
の論文で、セシウム137が日本の発表の2倍以上、世界の各地で観測されていると発表しています。これはキセノン137由来であると推測できるのではないでしょうか。
希ガスと違い、セシウムは気体ではないので安全管理は容易ですとの言い訳が聞こえてきそうですが、それならば最初の文章セシウム133は安全だという説明も意味がなくなります。論理的に無意味な文章で、燃料棒再処理が安全であると云う、あたかも科学的であるように装って実は安全神話だけを植え付けようとする悪意のある広報としか理解できません。
このもっともらしい名前のこの財団法人は、科学的な勉強不足で、広報の趣旨に都合のよいことだけに飛びついたのか、知っていても故意に安全な一部の物理現象だけを取り出してPRしているのかわからないが、社会的な犯罪行為であることは間違いありません。
これも、出資者にとって都合のよい情報だけを選んで広報し、財団の資金としている組織、それを利用している政府・行政・原子力産業、その結果、危機的な被害を受けているのが納税者である構図の証拠の一例ではないでしょうか。
残念ながら、われわれの税金で賄われている公的組織はあてにならず、めいめいが賢くならなければ、自身を守るすべがないことが今回の原子炉危機でわかってきました。