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日本のメディアは どんな理由で東京電力・政府機関が小出しにしている断片情報に満足しているのであろうか?

2011/12/11

12月9日に東京電力は2号機の原子炉建屋の岩盤(地下196m)の振動加速度が675ガルであったとプレスリリーズしたようだ(朝日新聞12月10日記事)。

下記のデータはINPO(Institute of Nuclear Power Operations)から11月に公表されたPDFファイルに記載されていたものである。著作権法問題があるかもしれないが、私用の日記メモとして許してもらおう。

下の表は、このレポートに記載されている東京電力福島第一原発第一~第六の原子炉建屋の地下室での地震加速度の観測データの表である。黄色の部分が設計加速度を超えた部分で、東西振動の加速度が大きかったことを示す。

福島原発地震加速度表

更に、これらの地震計で観測した加速度の震動周期別強度分布のグラフが下図のように添付されている。

福島原発地震加速度グラフ

赤線は東西振動の観測値である。これで見ると設計振動周期スペクトルの最大値0.5秒より短周期側に設計加速度を超えた振動が見られる。特に第三号原子炉では顕著に表れている。

これがどれだけ損傷の原因になっているかわからないが、放射性キセノン133の観測データから[1]、原子炉の損傷は津波災害の前に起こっていた疑いが云われており、東京電力がデータを示さないで地震での原子炉破損は無かったと云っても証拠を示さない限り意味は無い。

なお、上記のINPOのレポートのデータは、TEPCO(東京電力)の真摯な協力によるデータに基づいていると書かれたおり、このレポートの編集作業期間を考えると、アメリカのこの研究所には公表より少なくとも数か月以上前には情報を提供しているはずである。東京電力は日本人に対しては曖昧な文章によるプレスリリースのみでデータ隠しをし、外国には詳細なデータを渡す。こんなことをどんな理由でしているのであろうか。

再度書くが、日本の主要メディアは外国に支局や情報網を持ち、東京電力の日本国向けの情報開示と、外国に知らせている内容の違いを把握しているのは疑いにない事実であろう。にもかかわらず、本来正しい情報を伝えるべきジャ-ナリズムが、東急電力や政府官僚が、組織内の何段階かの管理職の決裁を受け、骨抜きになったプリント書類の広報に満足し、それ以上の取材報道をしていないのが不可解である。

INPO レポート Nuclear Energy Institute – Special Report on the Nuclear Accident at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station

[1]  http://www.atmos-chem-phys-discuss.net/11/28319/2011/acpd-11-28319-2011.pdf

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