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地震直後に放射性キセノン・ガスXe-133の大量放出があった可能性大 10月20日公表のヨーロッパ学会誌

2011/10/28

Xenon-133 and caesium-137 releases into the atmosphere from the Fukushima Dai-ichi nuclear power plant: determination of the source term, atmospheric dispersion, and deposition

http://www.atmos-chem-phys-discuss.net/11/28319/2011/acpd-11-28319-2011.pdf

Atmospheric Chemistry and  Physics Discussions, European Geosciences Union.

新事実と思われる結論。

キセノン-133(Xe-133)は、福島原発1-3号機が地震により非常停止した直後に放出された可能性を強く支持する証拠があると結論していることである。その総量は16.7(確率レンジ13.4-20.0)EBq: 10の18乗ベクレル、この量は過去に行われた核爆弾の実験と比較しても、世界の歴史上最大のものである。またこの量はチェルノブイリの2.5倍に相当する。

セシウム-137については総量35.8(23.3-50.1)PBq: 10の15乗ベクレル、日本政府が6月に発表した値の2倍以上と推定される。

注目すべきことは、この論文ではXe-133 が地震直後から放出されたと結論している。これが間違いであることを科学的に証明しない限り、東京電力が主張している、地震では原子炉のダメージが無かったとの発表が否定される証拠が出たことになる。

この論文はヨーロッパ及びアメリカの各種研究機関所属者9名の共著であり、pdfファイルで75ページに及ぶものである。記事の分類ではディスカションとなっているが、学会誌のレフェリーにより査読されており本格的論文と思う。参考文献は47編。用いたデータの観測地点は、Xe-133 が北半球の15地点(日本無し)、Cs-137 が25地点(日本6地点)である。

日本で一般に公表されていないと思われる事項に注目し要約を書いてみようと思うが、この論文を精読するには努力がいる。今日はこれまで。

御助力とコメントをいただければ幸いです。

9件のコメント leave one →
  1. 不明 のアバター
    匿名 permalink
    2011/11/01 07:37

    Discussionsは、公開査読中のもので、まだちゃんとレフェリーによる査読は受けていません。正式公開になった場合は、Discussionsが取れたAtmospheric Chemistry and Physicsになります。この段階でNatureが取材し、結果が公になったのは、あまり好ましいことではありません。本来なら、ちゃんと査読を通って、受理されてから情報公開すべきなのに。もしリジェクトされたらどうなるんでしょうね。

    いいね

  2. spaceglow 市川 敏朗 T.Ichikawa のアバター
    2011/11/01 23:24

    匿名様
    コメントありがとうございました。 確かに、
    編集者の受諾受付が10月14日、主著者と議論をするために論文を公開したのが10月20日となっており、論文の公開は科学的検証をする価値ありとしての手続きと思います。
    私のウエブで、査読中とすべきところを完了したように書いたのは不注意なあやまりでした。

    私も、専門学会誌のレフェリーをしたことがありますが、原著者が検証可能な形でデータを公表し、論理を展開する為に必要な参照論文をもれなく参照しているかに注意を払っていました。

    私には、この論文を評価する専門的知識はありませんが、論文の形態がしっかりしているのと、著者は、エアロゾルなどの対流圏拡散に関する業績を多く持つ専門家であり、限られた、しかも不十分なデータベースから敢えて行った論理的展開は貴重と考えて、ブログに書きました。

    当事者東京電力は、Xe-133の放出データを検証可能な形式で公表して反論することが出来なければ、計測はしていたが不正確だから公表しない云う論理は国際的には通らないだろうと思います。

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