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光速より速いニュートリノ 20年ぶりに学会気分を味わったOPERAのライブ映像サービス

2011/09/24

昨夜、セミナーのライブ放映を待っていた間、セミナー会場の映像を見ながら学会の雰囲気にのみ込まれて行きました。しかしライブの映像は発表者の動画とスライドが交互に表示されわかりにくく、確かな理解は得られませんでした。

今日の、整理されたCERN Webcast Service, CERN Document Server: New results from OPERA on neutrino properties

のヴィデオでは、発言とスライド画面が並行して映し出され、説明をプレイバックしたり、スライドの文字画面を詳細に見るために一時停止しながら見ることができた。コーヒー・ブレイクなど取りながら、ほぼ5時間ほど、楽しく過ごしました。

セミナーのヴィデオは全部で1時間53分余り、発表者Autiero氏の発表が約1時間、そのあと質疑応答が約50分間。

発表の殆どの時間は、スイスのニュートリノ発射地点と約730キロメートル離れたイタリアの受信地点での時計合わせの科学的、統計的信頼度の検証に費やされていたように思います。この実験では、基本的に、時間や距離をGPSに頼っていることが議論の焦点でした。

発表の結論は、ニュートリノの飛行速度が物理学の基本量、真空中の光の速度より早いことを主張したことにあります。

物理学でいう速度とは、直進する飛行物体の飛行距離をそれに要した時間で割った数量である。言い換えれば、距離(長さ)と時間の計り方により速度は決まります。

しかし、アインシュタインの特殊相対性理論では、光の真空中での伝播速度は、われわれの宇宙ではどんな状態においても決まった値であり、計測するものではなく物理学の法則の基本をなす定数であると結論されている。そして、光速より速い運動はあり得ないとされています。

特殊相対性理論が認められて以来100年、物理学界ではこの理論の基本が誤りであるとの合意は一度も無かった。

今回の発表の骨子は、この物理学の基本理論に抵触するものです。もちろん、物理学ばかりでなく自然科学の理論は、観測の事実が説明できなければ、理論の誤りとして常に訂正され、理論に固執することはありません。

結論の一つを書いてみます。 今回測定されたニュートリノの速度 V、物理学の法則である光の速度を C として

(V-C)/C = (2.48 ±0.28(stat) ±0.30(sys) × 10^-5

これは、ニュートリノの飛翔速度が真空の光速より0.0025%ほど速いと云うことを示します。

ここで、(stat)の項は測定結果の統計的ばらつきの標準偏差であり、(sys)は観測システム全体の欠陥による理論的誤差の推定値である。

今回の結果は、上記二つの確率誤差の標準偏差値のほぼ6倍の精度を得たと主張しています。この値は、間違いの確率が百万分の4以下となることを意味します。結果は正しいと云わざるを得ません。

今回の結論に誤りがあると証明するには、現在の測定技術の中に、まだ知られていない欠陥があることを証明する必要があるでしょう。

発表者たちは、この結果だけで物理学の法則が誤りだと主張するつもりは無いようです。

この研究グループには日本の5つの研究機関も参加しており、世界11カ国、30研究機関、160人の物理学者が参加しているとのこと。

日本にも、野依博士のノーベル賞受賞の根拠となった神岡のニュートリノ検出装置、筑波には人工ニュートリノ発生装置がある。日本でも検証実験が期待される。

最終訂正: 2011 9/25 10:30

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