紳助事件で思い出すアメリカの自己申告リスト
1960年代末、アメリカの大学院で研究指導をしていた学生が陸軍関係の研究所に就職をアプライする時の調書を見たことがある。
その中で、今までに関係したことのある組織・団体名を申告するための調査リストを見た。具体的な組織名を書いた何ページにも及ぶリストがあり、加入ている(加入したことのある)組織名をチェックする様になっていた。
驚いたことに、その中にローマ字読みで日本の国粋組織(大戦中にあったと見られる暴力組織)らしき名前も複数見た。就職希望の学生は、アメリカ生まれ、すべての教育をアメリカで受けた白人、外国とは無関係の家族関係であったにも関わらずである。
最近は個人のコンピュータ情報があるために簡略化されているが、当時アメリカに入国する時の申告リストに、有罪犯歴や麻薬などと同列に、男女を問わず売春の経験の有無にチェックする項目があったように記憶している。
当時の、日本人や韓国、台湾からの留学生の間では、証明書の添付の必要のないこのような自己申告が何の意味があるか、その様な調査が何の役に立つかに疑問を持った(自分に不利なことを書くわけがない感覚で)。
後で、組織の管理職経験者に聞いたことであるが、採用を考えているポジションによっては、多数ある自己申告項目のの中から必要性のあるものについては真偽を調査する。また確認の必要のない軽いポジションに採用する場合、普通は調査しないでブッキングしておくだけである。しかし、後に対象者に不都合があったとき、回答項目の軽い件を調査し、嘘があったらそれを理由に解雇できるための担保であると。したがって、つまらない嘘をつかないことも社会で身を守る大切な判断であることを知った。
最近のニュースを見ると、日本でも残念ながら、政治家、公務員、公共組織の高級管理職に対しても、軽重を問わずこのような具体的な反社会性に対する経歴の有無の誓約書の必要な時代になったことは疑いが無いように思うがどうだろう。