朝日新聞の放射線量のマップは観測地点をどのような基準で選んでいるのであろうか?
先に書いたように、文科省は8月7日を最後に、毎日更新していた下記のような福島県内の空間放射線量の公表を停止した。
最後のデータを例に見ると、福島県内で常に最も放射線量が多く観測されている地点は双葉郡浪江町赤宇木の3地点である。
http://www.mext.go.jp/component/english/__icsFiles/afieldfile/2011/08/07/1309508_080718.pdf
上の図より最も空間放射線率の大きい順に4か所のリストをしたものが下の表である。
83 双葉郡浪江町赤宇木椚平(24km北西) 33.0
81 双葉郡浪江町赤宇木石小屋(30km北西) 20.4
32 双葉郡浪江町赤宇木手七郎(31km北西) 15.4
33 相馬郡飯舘村長泥(33km北西) 15.2
これに対し、朝日新聞の「各地で観測された大気中の放射線量」の福島県内の値を表に書き移したものは、
赤字木 15.0
飯館 2.44
福島 1.12
この値は月22日の8日ものであるが前の分析で書いた様にこの間の放射線量の減衰は殆どないことから、福島県20km圏外の高線量地域の空間線量率減衰特性 « 朝日新聞のデータは、文科省調べとあるだけで、どのデータベースからどのような基準で選んで記事にしているのかのか公表していないので検証のしようがない。
これで見ると、赤字木として表されている放射線量は、赤字木地内の3地点のうち最も放射線量の少ない地点であり、飯館村では同村長泥の値に比べ6分の1ほどの地点の測定地のものである。
朝日新聞は、文科省のプレス・リリースのまま書いているのか、それとも放射線強度の強い場所を異常スポットとして根拠を明らかにしないまま除外しているのは分からない。もっと情けないのは、いろいろな条件や測定機器の誤差で毎回変動するはずの測定値を有効数字3桁としていることである、新聞は、読者に必要な情報を確実に届ける使命があるはずで、偶然得られた値をそのまま書くのが正確な情報発信とは言えない。少し自然科学や統計学を学んだことのあるものならば、微量の放射線測定値の数字の3桁目が有効数字として(統計的に意味のある精度値)どんな意味があるのか分かるはずである。
日本は科学技術立国であると云っている文科省官僚や、メディアが非科学的文化組織であって良いものだろうか。
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