浪江町、飯館村の高放射能汚染域での総放射線積算量の推定計算値の比較
東京電力福島第一原子力発電所からの放射能核種の大気放出が始まってから現在までの総積算量は、初期の実測値が無いため推定によるしかないが、新聞報道などでは、3月23日ごろからの実測値の単純合計量しか報道していない。これではその地域の住民の被曝量とは言えない不適切なものである。安全情報は、科学的分析による合理的な予測がなされたものでなければ意味がない。
非科学的な文科省の放射線量積算データ 原子力安全委員会の資料を参考に修正を試みた «
最近になって、二つの公的機関の推定値が公表された。一つは原子力安全委員会の会議資料であり、もう一つは文部科学省の英文データベースによるものである。ただし、文科省で用いている初期の推定値は原子力委員会のデータを利用しているのでこの二つは全く独立の根拠による推定値ではない。
私、市川の推定値は、今まで何度か公表してきたように、文科省のモニタリングデータを用い対数近似法で算出したものである。
下のグラフは、この三つの推定値を比較したものである。
何れの推定値も科学的には大差ないと云えるが、年間推定値に於ける違いは、放射線量が定常化したと見た時点の違いが原因している。原子力安全委員会の計算値はまだ放射線量の減少期である4月6日の放射線量が一年間続くと仮定したものであり、文科省は4月22日、市川は6月16日の放射線量を用いて計算したものである。
なお、原子力安全委員会、文科省が発表している積算量は、屋外8時間、屋内16時間として平均軽減率0.6を掛けたものであるので、このグラフではそれらの値を1.67倍して、空間放射線量の積算値に換算して表している。
この軽減率は、国の機関では公表するデータでは義務付けられているものかもしれないが、大気中に放出された初期数週間ぐらいは適用できると思われるが、学校の実測値かからも推定されるように、経時的に放射性塵埃などが室内にも吹き溜まり、最大値は屋外と変わらない場所も見つかっていて、室内での平均値を用いることは安全の目安とはとは言えなくなっていることは明らかである。
この意味で、安全基準を考えるときは、屋外での空間放射線率を用いるのが合理的と思います。
訂正: 2011/6/26 8:55 グラフの最初の日付を4月5日に訂正しました。
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