緊急事態の対策に現場の裁量権を認めず 権力の上下関係で決まる管理体制の間違い
東京電力福島原子力発電所の事故対策についてIAEAの素案が日本政府に報告されたと云うニュースメディアから漏れてくる内容のうち、上層部からの雑音に「ぶれない」福島第一原発吉田昌郎所長の海水注入の継続。現場作業員の復旧作業に対する責任感と行動の努力に対して賞賛の内容が含まれているという。原文では
IAEA INTERNATIONAL FACT FINDING EXPERT MISSION OF THE NUCLEAR ACCIDENT FOLLOWING THE GREATEAST JAPAN EARTHQUAKE AND TSUNAMI http://www.iaea.org/newscenter/focus/fukushima/missionsummary010611.pdf
今回の非常な困難に直面し安全を確保するために、断固として最善の処置をした現場(J-Village)の高度の専門的支援と作業員たちの行動は模範的であり最善のアプローチであったと評価している。
官邸を始め東電の最高管理機関は、海水注入を権力体制の中で決断出来なかった混乱が外部に漏れることをおそれ、誤った中断情報を知らないふりをし隠していた海水注水継続の事実。IAEA視察直前になって事実を公表することにしたようだが、これを吉田所長の報告義務違反が無ければ認めていたであろう、などと云ったように、些細な組織規律の形式違反で吉田所長を処分することで「ちゃら」にしようとの思惑があったのではないだろうか。
このIAEAの調査団は、日本政府は極めてオープンに情報を公開したと評価しているが、上記のように我々日本人の納税者に対する政府・東電の態度とはかけ離れた違和感を持つ。
いかなる事情があろうとも、権力組織の形式的な(マニュアル)体制から外れた行動を排除しようとする社会、今回の事実だけで判断できる問題ではないが、たとえば、吉田昌郎氏を原子力安全委員長に抜てきするような人物評価(英断)が官邸を始め日本社会に欠落していると思う。
話の次元は異なるが、先ほどのJR北海道でのトンネル内火災事件、運転指令は火災と認めず職員に誤った指示をした、乗客の判断で死亡事故は防げた。JR尼崎の事故、事故列車に乗り合わせたJR職員の問い合わせに対し管理職員は救助活動をさせず現場を放棄して呼び戻した。これらはいずれも現場職員の裁量権を認めず、判断のための情報を持たない遠隔地の運転指令の命令を待たなければ処分される管理体制の欠陥であろう。
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