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アメリカの国家核安全保安局と文部科学省のSPEEDI公開

2011/05/08

アメリカNISC線量地図

上のコピーはすでにみられている方も多いと思いますが、3月22日(日本時間23日)アメリカで発表されたNNSA(米国国家核安全保安局)のパワーポイント画像の一部です。航空機で測定したものです。

私の知る限り、当時日本政府や、メディアでは発表されていなかったと思います。こんなことがどうして起こるのか。

遅まきながら、2009年秋の鳩山首相とオバマ大統領によるサミット会談でコミットメントされた日本政府とNNSAとの協力関係を知りました。それを根拠に3月17日にはアメリカは日本で航空機による空間放射線の測定が行われたように思います。その一部が3月22日にアメリカで公開される結果になったと云うことでしょうか。

NNSA Hosted Japanese Delegation to Discuss Physical Protection Issues | National Nuclear Security Administration

アメリカは核テロを現実のものとして取り組んでいることから、状況的に、公式・非公式に関わらず今回の原発事故による放射性物質の拡散データは千載一遇のチャンスと、可能な限り時を失せず詳細に収集していることは状況的に間違いのないことと思っていました。

その速報を、日本政府は我々日本人向けに公表を拒んでいること。それに反し、アメリカはアメリカの納税者向けに公表したと云うことでしょうか。これは、私のニュース音痴の勘繰りかもしれませんが?

それはともかく、自然科学を基本とする文化の重要な利点を以下のように考えています。それは、常に検証可能なデータを求め、得られたデータをもとに、予測をしたり欠落しているデータを補間することが出来ることにあります。結果の信頼性は、用いたデータの質や量によりますが、それを分析することにより正確さを確率的に把握できることにあります。得られた結果は、場合によっては理解の難しさを生みますが。残念ながら、分かりやすいことは願望ですが必ずしも正しいことにはなりません。

今回の、予期しない、そして現在も流動的な原発災害に対処するには、時間的な遅れは許されません。時々刻々その時点での科学的な予測の作業が重要であると思います。これを今回の災害対策に当てはめれば、政府は、データが十分に得られなくても早期の決断が必要だし、決断したからと云ってそれにどこまでも固執すべきでもないはずです。また、判断の合理性を批判することは重要ですが、誤りや責任を追及する後ろ向きの議論には意味がありません。

これはたとえば、大砲とロケットの飛び方の違いの様なもので、大砲の場合は、初期条件ですべてが決まるので、最初に正確なデータが得られなければ誤射を生みますが自己誘導機能を持ったロケットでは時々刻々の過去の軌跡により確率的な将来予測をし、修正を加えながら目的に近づくほどに正確にする機能を持っています。この象徴が昨年の小惑星探査機「はやぶさ」の快挙と言えるでしょう。「想定外」の故障にあいながら戻ってくることが出来ました。

その意味で、SPEEDIのもう一つの価値があるわけで、今回の事件では、初期段階での放射性核種の放出データの欠落が定量的な予測を困難にした原因だったと思いますが、各地での測定データを使ってシミュレーションを逆行させることにより、被害者にとって最も重要な3月15日から17日までの各地での放射線被ばく量の推定が期待できるのではないでしょうか。被害者にとって最も大切なことは、すでに受けてしまった被曝履歴が将来の発癌などの確率に関係することから健康管理には重要な個人記録であり、データの正確さが保障されないからと云ってこの最も被曝量の多い初期の事実がなくなるわけではありません。

やっと発表された文科省のSPEEDIの毎時画像、原発からの核種放出モードは全て1.0の一定放出率での描画です。云ってみれば一種の気象データと云えるものでしょう。こんなものを発表するのに政府のお偉方の鶴の一声が必要とはあきれます。

今後政府の取るべきことの一つに、福島第一原発80km以内の住民一人一人に対し、申告による居住あるいは移動経歴から被曝量を推定するシステムを構築し、公的な被曝カードを発行すべきと思います。再度強調したいと思いますが、誤差が多すぎる、不正確だ、確認ができないその理由で被爆者の被曝実態が無くなるならそんな良いことはありません。

秘密に値しないものを秘密指定で権力統制する現政府、民主先進国の政府とは思えないことが残念です。

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