文部科学省の英文データベースを用いた高汚染地域の総被ばく量の試算
文科省の英文データベースに主な観測ポストでの3月23日から4月25日までの放射線積算被曝量(Integrated Dose)の表が公表された。
このデータベースでは、データの空白期間である放射性物質の爆発的放出のあった3月15日から3月22日までの初期の被ばく量は無視している。物理的にはこの期間に最大の放射性核種の飛散があったことが確認されている。この期間の被曝量の科学的考察をしていないのは無責任と言わざるを得ない。ここでは、初期被曝量と、4月25日以後1年間の被曝線量を関数近似で求め、総被ばく量を推定してみた。
方法は、対数直線近似による減衰係数の統計値から算出した積分放射線量を求め、モニタリング区間に対する、初期区間、後期区間、の比率を算出して、主な高汚染地域のモニタリング値に加算したものである。
kは常用対数減少率で 10^(-k* n) nは3/15日からの日数
これで見ると、文科省の積算被曝値は本当の住民の被曝量からみれば過小評価であり、実際には4月22日の時点で、浪江町の最高地点では48mSvの被曝を受けたことになる。
同様に年間被曝量の推定は、今後放射能の減衰がどのような経過をたどるかによるが、直近の二週間の減衰係数を各地のデータで算出して見ると、最も早く減衰する場合の係数は-o.015, 収束が遅いデータでの係数は-0.005と近似出来た。
この二例を用いてた結果を表の最後の2欄に示した。これで見ると、減衰が遅い場合、浪江町の最高地点では1年後に73mSvの被曝を受けることになり、放射線作業場での労働者の基準値の上限に近い値となる。
この地域が避難地域に指定されたことは当然であるが、計画避難区域と云った言い訳がましいことでごまかす政府のズルさは、すでに4月22日の時点でこの地域の被曝量は表で見られるように48mSvにもなってしまっていることで明らかである。政府の云う安全基準20mSvを超えてしまっている。緊急に避難しても取り返しがつかない、いまさらあわてる必要は無いが放っておくわけにもいかず、計画的避難と云う表現にする、優秀な弁護士の発想ではある。
政府は、国内向けには、被曝オーバーをごまかす方策として、屋内で16時間を過ごすと云ったあいまいな理由を付けて被曝量を軽減しているが、日本の一般的な木造の建物で、窓に近い場所で生活する習慣の生活では、屋内のガンマ線量が屋外の四分の一以下になることは期待できない。現在の観測ポストの線量値は殆どガンマ線の強度と考えられる。
さすが、日本政府の規制が強制できない外国人が見ることを予想してか、発表された英文のデーターベースでは、屋内軽減等のつじつま合わせの科学的根拠のない批難のもととなることが予想される数値には触れず、空間放射線率は測定値のまま積算している。
小佐古敏博士が内閣官房参与を辞職したニュース、表向きは学校の校庭の使用基準に異を唱えて辞任したとあるが、政府の政策で見えてくるのは、責任逃れのつじつま合わせで作る政府基準を「学者の隠れ蓑」を使い強制しようとするのに利用されたからであろう。
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