福島第一原子力発電所付近の空間放射線量率の分布と減衰予測の試算
福島第1及び第2原子力発電所周辺のモニタリングカーを用いた固定測定点における空間線量率の測定結果 :文部科学省
のデータを用いて福島第一原子力発電所の周辺環境放射線量率の特性を分析してみた![]()
放射線測定値の地理的分布を見てみると、発電所から北西方向に特徴的な放射線量の強い部分が伸びている、そこで北西から西北西に囲まれた扇状地帯の線量と距離の関係をグラフにしてみたのが下のグラフである。観測期間は3月17日より3月28日までである。
これで見ると、測定場所が限られていて距離に関し一律ではないが、原子力発電所から30km付近と55km以遠に放射線率の大きいところが見られ、かえって20km付近の近いところが必ずしも強くない。なお、図中の5マイクロシーベルト時のラインは下図に示す一般周辺地域の最高線量レベルを示したものである。
これで見ると、北西方向以外の環境放射線レベルは発電所からの距離にあまり関係なく5マイクロシーベルト毎時以下である。
放射線率の日次減少率を見るために、同一地点で比較的連続的に観測されたデータについて強度を対数をグラフにしたものが下図である。
これで見ると常用対数減衰率が0.054 ~0.044の範囲にあることが推定できる。これを用いて平常の環境レベルの約2倍、100ナノシーベルト毎時までに減衰する日数を推定してみると、最も強度の大きい地点で60日余り、弱い地点で45日程度となる。
今後、原子炉圧力容器からの蒸気の減圧放出が無ければ希望的には3カ月余りで環境空間放射線率は平常値に戻ると云えよう。
更に、1日ほど前に原子炉からの放出予告を義務付ければ、現在でも20km~30km地域は北西領域を除き安全とされている30km圏外と差異が無いと云える。さらに、北西方向を含め一律に30km限界を適用することは疑問である。
この資料は、プレス発表資料となっていて、文書形式で記述され、上記のような分析を行うには数値表に手入力で変換しなければならなく、整理に一日ほどかかった。プレスリリースといえどもデータは見るためのものではなく、分析のためのものであり、こんなお知らせ的な報告形式はやめてほしい。
これも、諸外国から不信を抱かれている原因の一つであろう。
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