「大学入試の基礎を揺るがす大問題」だろうか? 試験問題ネット投稿に関して
一流大学と云われ難関大学の試験時間中に行われたウェブへの試験問題投稿事件。早稲田大学の理事の記者会見で出た大学の見解のようだが、はたして現在のペーパーテストによる数時間の試験で入学を決める制度が公正で公平な制度だろうか?
教育に携わった者ならば、自分のクラスで到達度を見る目的で複数の問題を作成し、それぞれの問題で何度か試験をし、試験毎の得点順位を並べて見た時、いつも同じ順位になると信じている人は少ないだろう。
しかし現行の入試制度では、順位は1点でも違えば差が付き合否の境界が決まる。競争の激しい医学部の場合、合否境界付近の点数分布は同点者が何十人にも上る場合が予想される。そんな状態で1点差で合否が決まる、統計学的には無意味なことは分かり切っているがこれが日本の「大学入試の根幹である」。そこにカンニングのつけ込む意味があるのではないだろうか。
東大や京大の一流大学人は、ハーバードやMIT等世界の一流の大学人との付き合いがあり、入試の実情を熟知の人も多いと思う。世界有数の一流大学では、こんな不合理なペーパーテストだけの入学者分別をしていないことを知っている人は多いはずだ。
今から30年ほど前のことであるが、私の知人のお嬢さんが大変優秀で高校始まって以来の成績と云われ、ハーバードの医学部を受験することになった。アメリカの新学期は9月であるが、最初の入試手続きは1月、地区のハーバード同窓会メンバーのインタビューから始まった。以後詳しことは聞かなかったが、最終段階に入ると、志望学部の委員と1日行動を共にして評価を受けるなど、受け入れ教授陣の責任において学生を慎重に選ぶことが行われていることは周知の事実である。
日本では、入試に関係した委員の主観が入る選別は不公平、ペーパーテストが一番公平とする大学人の無責任体制がこの記者会見でも明白に見てとれる。
情報機器を利用したカンニングが入試制度を揺るがすとは余りにも知的考察力が低すぎるのでは。