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超高齢歩行者の交通死者は同年齢の運転者の4倍以上 それでも高齢運転者を危険視しようとする理由はどこに?

2011/02/17

内外のどの交通統計でも、高齢運転者が他の年齢層の運転者に比べて特に社会に危険を与えていないことは明らかである。この事実をを前提として以下の主張をしたい。

下のグラフは政府統計の窓口[1](2011年1月)のデータにより描いたグラフで、高齢者の道路交通に於いて自動車利用が如何に安全かを示すものの一例である。

image運転中と歩行との事故死者の数は、60歳で逆転し以後急激に歩行中の死者が増大する。 この原因は高齢運転者が少ないからだけではない。日本の高齢者の運転免許保有率は40%を超え、その上高齢者にはペーパードライバーは少ないと云う証拠もある[2]。

高齢者の交通安全を考えるならば、如何に高齢者が道路を歩行しなくてもよいような総合的な施策が重要かである。よく公共交通機関の利用が良いように云われているが、現在の定期バス路線方式では必ず歩行が伴い、乗車中の安全率だけで考えるのは間違いで、目的を果たすための歩行を含めたいくつかのモデルケースで安全性を総合的に実証しなければただの言葉の上の安全対策としか言えない。

日本全体の交通事故死者率を下げるのに効果を上げる方法は、高齢者の安全な運転を支援することであろう。こう言うと、高齢者講習や、運転教習をだけを考える人が多いと思うが、このような高齢運転者に運転の欠点を認識させることが事故防止に役立つ効果は少ない。このことは前に書いてきたように、ヨーロッパで高齢者の運転免許基準のハードルが高い国ほど事故死者率が高いという統計データにみられていることである。

実勢の運転状況では零点何秒で反応するかが事故の原因ではなく、むしろ重要なのは、少しの反応遅れが事故につながらない道路環境(信号システム等)を改善することであろう。これは高齢者のためだけのものではない。シュミレーターなどで運転に集中する条件で若者と高齢者の反応を測定すれば高齢者に欠陥が出るのは当たり前だが、実勢の道路での運転は、このような運転のみに集中して運転しているわけではなく、行き先での仕事のことを考えたり、後部座席で騒ぐ子供に気を取られる状況があったりするのが普通である。このように1秒以下の反応の差異は安全に関して意味がない。

現在の技術力からすれば、車の方に高齢者運転支援装置を装着するのはそれほど費用がかかるとは思われない。このような支援装置を装着した車に対しエコカー減税の時のように減税処置などを行えば自動車メーカーの実装研究も飛躍的に進むであろう。

犠牲になった歩行者の過去の運転経歴の有無が分かるともう少し正確な分析ができるのだが。

[1]  高齢者の自動車利用を如何にして援助するかが交通事故全体を少なくするのに最も効果のあることである «

[2]  http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/suikei/8pdf/s1.pdf

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