自賠責保険審議会の料率検証資料の不思議
先のブログに続き、第127回自賠責審議会資料4に記載されていた数値表から下のグラフを作成してみた。
この、交通事故の年次変化とそれに伴う保険支払い金額の推移を見ると、2007年から2008年に支払い金額に不自然な変化があり理由が見つからないように見たので調べてみたら、2008年4月から自賠責保険掛け金を、2007年の料金に比べ自家用乗用車で27%、軽自動車で26%ほど値下げをさせられていたことが分かった。理由は事故率の減少のためとあった。
登録車台数は直近10年間ほぼ一定であるが死者数はこの10年間にほぼ半分まで減少し、負傷者数も20%以上減少している。それに伴って、死亡支払い金は確かに同じトレンドで減少しているが、自賠責保険料金の値上げの年と同期して支払い総額の87%を超える後遺症と傷害支払い金が突然急上昇し総支払保険金が急上昇しピークとなっている、2009年には金額を値下げ前の水準に戻している。いかにも不自然で作為的とは見えないだろうか? 値上げ理由では被保険者の医療費が高額になり、また回復までの期間が長引くためと云っている様だが、保険料率を値下げした途端にカタストロフィー的に増加するものだろうか。どうも保険料金を引き下げられたことへの抵抗のように見える。
日本の運転者が努力して確実に交通事故を減少させているのに、保険会社が赤字になるのは、運転者の責任ではなく保険会社の営業責任と云わざるを得ない。審議会はこの資料でどんな議論をしたのだろう、審議記録を見たい。
審議会に出されたこの資料では、4ページに事故率の年次推移グラフがあるが、以下に添付して示すように、年次減少率が目立たない様に意図したとしか理由が見当たらない、縦軸の最高値が大きすぎる間延びしたグラフである。
これは、損害保険料率算出機構から金融庁に提出資料とあり、審議会はこんなお知らせ程度の資料で値上げを決めあのであろうか?
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_zidousya/siryou/20100119/04.pdf
東京・大阪のような大都会の周辺と違い、現在、過疎地に行けばいくほど車交通は生活に欠かせない死活問題とも言えるもので、地方の生活者が少ない収入から支出している車の維持経費がこんなずさんな資料で全国一律に決められるのはあまりに無責任と思われる。
国が認可する料金審査について、業界に出させた資料のみでなく、きちんと検証可能なデータベースを使って明白な証拠を示すのが義務と思うが。
2008年に値下げしたことを知らなかったので、以前の投稿をこの事実を踏まえ訂正編集しました。