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日本の交通死者の国際比較Ⅱ 特異性について

2011/01/11

7日のブログ記事に続き、同じデータで分析し日本の交通事故死者データの異常性に気がついた。

日本の自動車交通事故による死亡リスクは世界で最も少ないグループにあることは間違いないが、国際比較に用いられる、三つの指標を比較してみると不可解なことがある。三つの指標とは

① 人口10万人当たりの死者数。(Deaths/100,000 population)  

② 10億 車台数―km当たりの死者数。(Deaths/billion vehicle-km)

③ 1万 登録車数当たりの死者数。(Deaths/10,000 registered vehicle)

日本は、③は世界のベスト1、①は6番目と先進国のグループに属するが、②は芳しくない。この様子を見るために ② / ① の比算出し、次のようなグラフで見てみた。

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2000年と2009年のパターンを比べてみると、比が1.5以上の国では2009年には大幅に減少しているが、日本だけが1.5以上のままで変わっていない。また1に近い国でも減少の傾向にあることが分かる。これは何を意味するのであろうか。

①は国民の死亡率を表す指標で、医学でよく使われる表し方である。この値の国際比較ができるのは、③がほぼ同じレベルのモータリゼーションの国の間であることに注意しなければならないが、日本と西ヨーロッパの国々とはほぼ同じと見ることができる。

②は、道路網のリスク(the most objective indicator to describe risk on the road network)と云われるものである。

以上のことを考えながらグラフを見ると、日本だけが先進国の中で特異な状況にあることが分かる。

この理由を見出すことは難しいが、①が西ヨーロッパの安全な国と変わらないことから、②が異常に大きいと見られ、これは道路のインフラが悪いと見ることができよう。ヨーロッパの国々では交差点は主にラウンドアバウト方式で、信号方式ではないので比較が難しいが、アメリカに比べて日本の交差点信号システムが右折時に危険であることは確かである。また日本の自動車専用道路の制限速度がまちまちで、運転者からみた道路環境に合致していないことも原因ではないだろうか。

アメリカの値が極端に小さいのは、人口当たりの死亡率は大きいが、登録台数―走行距離が大きいのと、高速道路網の安全設計が合理的に出来ていてそこでの死亡率が小さいことが原因していると思われる。

いずれにしても、この三つの指標から日本の運転者は世界で最も安全運転を実現していることに間違いがない。このことを基本に道路管理者は科学的なデータに基づく規制や道路インフラを中心に安全行政を見直すべき時期に来ていることは確かであろう。

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