自らの統計データに反する自動車保険協会の高齢者保険料金値上げ 損保会社の談合なら許せない
日本損害保険協会の自動車保険データ(支払い保険関連)という統計データを見た。
日本損害保険協会 – SONPO | 統計・刊行物・報告書 - 報告書 - 交通安全
この記事の、3.事故類型別被害者数 1.加害者年齢別の被害者数(死亡・後遺障害・傷害別)の表から、年齢層別運転者の加害事故による事故死者数を、同年齢層区分の免許保持者数10万人当たりに換算してグラフを作成した。用いた年齢別免許保有者数は、警察庁の[1]データによる。
(グラフをクリックすると拡大できます)
これを見てはっきり分かることは、死亡事故関与率は、高齢者も壮年層と変わらないことで、統計的な誤差範囲を見ると40歳以上では免許保持者10万人当たり5名強の一定の関与率になっていることが分かる。
物損事故の損失額については、第2部物損事故の表から、免許保有者一人当たりに平均分配した場合の損害額(単位万円)で表してみた。
この場合も、80歳以上の高齢者でも30~44歳層と変わりない。
この事実を承服できないと感ずる人も多いと思うが、このデータは自動車保険の損害賠償に係る交通事故の実態である。
言い換えれば、日本の自動車運転による交通移動の実勢条件での事故データであって、高齢者と壮年者の運転技術の比較ではない。この思い違いが高齢者の運転が危険であると云う”迷信”を生んでいると思われる。
高齢者事故が少ないのは、高齢者は自分や家族のための社会参加や、生活のための移動が主で、運転距離、時間、が少なく、気象条件なども選んで運転しているこによる効果である。
以上のように、高齢者の損害賠償金支払い額が壮年層と変わらないにもかかわらず、一般の思い込みを利用して、根拠のない高齢割増料金の算出基準を定め、さらに保険契約に明記せず、勝手に査定するのは反社会行為ではないだろうか。まして、先日の朝日新聞の記事のように、保険各社が談合するのは犯罪行為であろう。商業保険会社は独自の商品開発により競争すべきである。
一例ととして、ある保険会社の自動車保険の料金を、63歳と、77歳について同一条件で取ってみた。いずれも家族総合20等級で、それぞれ58,590円、66,940円であった。値上がり項目は対人賠償と、他車との衝突で、値上げ率はほぼ15%となっていた。
この報告データでは、人身事故の補償額は記載されていないので分からないが、高齢者は異常な高速運転や飲酒運転に原因する事故が少ないと云う統計文献もあり、事故当たりの責任賠償額も比較的低いとの予想ができる。おそらく高齢者の一死亡事故当たりの補償額は他の年齢層より低いのではないかと思われる。
ただし、上記のデータには自損事故や法律上賠償責任が発生しない事故は含まれていないので、一般の事故統計とは母集団が異なるが、内外の各種科学的な統計データと比べて、基本的な傾向は大差ないと見られる。
談合に参加していない外資系の保険会社があれば調べてみようと思う。
[1] 運転免許統計 警察庁交通局運転免許課
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