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高齢者自動車運転研究の歴史的経過

2010/11/20

OECD/ECMT-欧州運輸大臣会議の報告 高齢者道路使用者の安全レポートの概要
AGING AND TRANSPORT: Chapter 3, SAFETY OF OLDER ROAD USERS. Nov.2006,

高齢者運転問題の科学的または社会問題としての初期段階の研究は1960年後半から1970前半で、当時の研究の要点は、加齢による運転欠陥に注目することにあり、一般の理解は老齢者の運転は危険であるとの見方であった。道路システムの構造は運転者の管理のためのもので、事故を防止する為のものではなかった。その結果、危険とされた高齢者の運転を禁止するような方法での安全処置が提案されていた。

1980年代および90年代の研究は、高齢者の事故の原因の正しい理解を得るために疫学的な分析が主流となった。 この結果は重大事故の高齢者の関与が過剰見積もりであったことを示した。 むしろ、高齢層は衝突の頻度の少ない安全運転層と位置づけられた。
「高齢運転者」の社会的な常識は再考され、焦点は安全な交通方法に移った。 運転者よりもむしろ、予防手段として、道路および輸送システム、特に道路設計の安全性の提案に重点が置かれるようになった。

老齢学の研究では、老齢の影響は画一的な加齢の関係より、個人差が大きいことが繰り返し得られた。臨床経験では安全危惧に関する主要な原因として、年齢区分よりもむしろ、高齢者の医学的な特定の区分、アルツハイマーのタイプの痴呆、特に痴呆に罹っている高齢者は最も重要で、危険度が高い小群として識別された、90年代の研究テーマは危険度が高い小群に焦点を合わせることに集中した。

以上がわたくしなりに纏めたその要旨である。

残念ながら、日本の交通行政は、いまだに高齢者運転が危険だとする1970年代前半の知識レベルと云わざるを得ない。さすがに、今年の交通安全週間には、高齢者交通事故の激増と言うキャンペーンは自粛したようだが、日本政府はOECD/ECMTの共同交通研究センターに加盟し、データを共有しているので、道路管理機関は、国際的に認められている科学的な分析結果は承知しているはずである。

このような誤った交通行政にも関わらず、過去のブログに書いてきたように、日本の運転者は世界の先進国の中で最も事故が少ない統計結果を実現している。

自動車学校で高齢者に講習を義務付ける、これは、誤った根拠による道路行政で、高齢者にいわれの無い社会的不利を強いていると云えよう。高齢者の3年毎の免許切り替え制度は悪いことではなく、国際的にも理解されると思うがこれは医学的な行為であり、それには、必要な医学教育と、国家試験に合格した認定員制度を確立することが急務であろう。

この文章は、中高年・シニア世代交流サイト い~悠々.COMに投稿したものを補足編集したものである。

  http://www.e-yuyu.com/question/hen/h_19.html

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