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高齢者が十分安全に運転できる間に運転免許を取り上げられることを想定して、望ましくない現象を見てみる。

2010/07/09

EUの交通安全報告書の中から。

● 先ず第一に、高齢者を自転車や歩行に追いやることは、これらの交通手段の死亡率が、高齢運転より何倍も大きく、結果的に事故死亡率が増大する、高齢者は乗車中が最も安全であると云うことである。それに、高齢者はすでに自転車はやめている場合が多い。

● 高齢者が運転から別離することは、社会生活の一部からの別離でもある。これは高齢者の生活の質の低下ばかりではなく、社会のためにも良くない結果をももたらす、たとえば、ドアツードア交通を支援する地方自治体の費用負担が増加する。

● 全ての高齢者運転が、不釣り合いなほど他の交通に危険を及ぼしている事実は無い。それよりもむしろ若年ドライバーとの事故により重傷(死亡したり入院したり)させられる被害事故の方が多い。

しかしながら、

● 歳を重ねるにつれ、いつまでも安全に運転を続けられることはない。高齢者の移動の為に、いくつかの代わりのサービスが必要になる。多くの国ではこのようなことをしている。しかし、ただ一つのサービスが全ての旅行を支援できるのではない、型にはまった公共サービスだけではなく、バスの運行ルートや、タクシー、電話(dial-a-ride)による戸別移動システム等の組み合わせが必要となる。

以上は、以下のEU-交通安全研究報告書の要約である。

EU-Rord safety > Elderly drivers > Older drivers > Safety versus mobility and quality of life

http://ec.europa.eu/transport/road_safety/specialist/knowledge/old/safety_versus_mobility_and_quality_of_life/index.htm

日本の場合、

このような総合的な視野に立つ研究を探したが、私には見つけることができませんでした、ありましたらどうかお知らせください。

運転免許行政が警察庁だけで行われている結果、極端なことを云えば、運転免許人口を減らせば事故数が減る、それは明白な事実であり、そのため、事実の証拠を示さない言葉じりだけのキャンペーンで、例えば、「高齢運転事故の激増」(どの統計にも見られない「うそ」)、「運転免許を返納する勇気」など高齢者の生活に無頓着な行政となる。このような批判をしても、警察庁は、人権や生活の質を考慮するのは自分たちの業務ではない、バスのルートや、電話で予約する戸別公共交通機関の研究など道路交通省の権限である、との言い訳は火を見るより明らかである。

このような不条理を解消するためには、欧米先進国並みに、運転免許行政を、警察のような犯罪摘発機関から独立した総合的国民生活サービス機関として新設し、全ての権力から独立した、国際的にも通用する科学的な交通安全研究機関を持ち、その結果に基づき客観的な行政を可能にすべきであろう。

以上、このEUの報告書は、私がこのブログで、各種データや研究論文を示しながら書いて来たことの集大成のようで、間違いではなかったように思う。

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