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警察庁 間違った根拠に固執する執念はなぜか?

2010/06/18

高齢者マーク

警察庁は17日、高齢者マークの新たなデザイン4点を決め、意見を募集すると発表した右図(産経新聞他)。どうしてこんな根拠のないことに固執し、税金を浪費するのか分からない。

高齢者の運転が、特に社会問題になるほど交通社会に危害を加えている統計的証拠は、内外の、どのデータベースの分析の結果にもないことが明らかなことは、すでに何回も文献を挙げて書いてきた。

今回は、日本の警察庁の管轄下にある、自動車交通安全センター(特殊法人)の平成20年度研究報告書「安全運転に必要な技能等に関する調査研究(Ⅲ)」[1] のデータから、年齢層別の責任の重い(1当)事故経験者の統計分布を見てみた。

下のグラフは、責任の重い事故経験者の年齢区分毎の割合をグラフにしたもので、後期高齢者75―84歳区分でも他の年齢層と大きな変わりがない(第一図)。高齢者は事故が多い云うのは迷信であることが分かる。

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下のグラフは、日本の全運転者の中で、年齢層別にどのような割合で責任の重い事故に関与しているかを見たのが下のグラフである(第二図)。

image これを見て明白なことは、高齢者層が運転することによる責任事故の交通全体に危害を与えている割合は、0.2%強以下であると云うことである。言い換えれば、仮に、高齢者の運転免許を全部取り上げる暴挙をしても、社会全体では0.2%程度しか危険は減らないと云うことである。

このように高齢世代の責任事故率が低い最も大きな原因は、就業世代の運転者と高齢者の運転形態が違うことである。高齢層は年間運転距離が少ないばかりか、天候条件の良い昼間、安全な交通環境を選択する余裕があり、生活に必要最小限の運転をしていることが大きな原因である。

高齢者運転が危険であると思い込んでいることの落とし穴は、高齢者も就業年齢層と同一運転条件での運転を仮想していることである。それは実態と全くかけ離れた無意味な迷信である。

このデータは2002-2006年の5年間の日本の免許保有者の実態を示すものである。人口の老齢化に伴い高齢者の事故割合が増加するのは事実だが、第一図で明らかのように、後期高齢者層の年齢層別事故率が他の年齢層と変わりないことから、これは、単に高齢者の道路需要の増加に比例する結果であり、道路の公共性の観点から、需要の増した高齢運転者を、自動車交通から排除しようとする政策は、政府の行政サービスとして間違いであることは明らかである。

こんな明確な証拠(エビデンス)にも関わらず、高齢者の差別に粘り強く固執する警察庁、良く言われている天下りを含め、自動車学校などの関連グループ企業の高齢者ビジネスと利権追求志向の疑いを禁じえない。

[1]  http://www.jsdc.or.jp/search/pdf/all/h20_3.pdf

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