運転過失責任率の年齢区分別分布
イギリスの政府系交通局のシリーズ’An In-depth Study’に事故分析の一つの視点として"Blameworthiness ratio"「過失責任率」で見た年齢別グラフが表示されていた。
過失責任率は運転者の過失事故数(部分過失も含む)を全事故遭遇数で割ったものであらわしている。そのグラフを下にコピーする。
25歳以上60歳まで年齢とともに責任事故率が下がっている。60歳以上で上昇をするが75歳以上のレベルは25歳と同程度である[1]。右のグラフは60歳以上の年齢区分別でみた場合で[2]、縦軸のスケールが少し異なるが右のグラフと比べて90歳でも若者の初心者と同程度と見られる。
次に、運転経験の少ない20歳以下と60歳以上の過失の特徴を見たものが下のグラフである。
アメリカを含むどの事故原因別の分析でも共通して間違いのない高齢者の過失事故原因は、”優先走行妨害違反”である。このグラフでも際立ってそのことを示している。しかしこれは相対的な比率であり、高齢運転者の関与する事故総数そのものが他の年齢層に比べて少ないことから、この比率が高いことが高齢者の運転が社会的全体の交通安全の障害であると思い込むのは間違いである。高齢者運転人口が増加するということは高齢者の交通需要が増したと云うことである。現在の交通システムの一部が高齢者に適応しないことで高齢者を非難するだけでは、より安全な交通環境にはならない、高齢者に適応した道路標識や道路構造のインフラを研究し過失が起こりにくくすることが重要であろう。
[1] Fatal Vehicle-occupant Collisions: An In-depth Study
http://www.dft.gov.uk/pgr/roadsafety/research/rsrr/theme5/fatalvehicleoccupant75.pdf
[2] Collisions Involving Older Drivers: An In-depth Study
http://www.dft.gov.uk/pgr/roadsafety/research/rsrr/theme5/rsrrno109.pdf

