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高齢運転者のための安全性の向上

2009/12/21

高齢運転者のための安全性の改善

2000年、ちょうど今から10年前に書かれたニュースレターを見た。カリフォルニヤ大学バークレー分校交通研究所の記事である[1]。内容の要点を見てみよう。

この記事の基本としている理念は、1997年アメリカ連邦交通局の「生涯のための安全な移動性」の包括的な研究概要を参照している[2]。それは、結論として、“年齢だけで運転適性の判断の基準にはならない”と云うことと、もうひとつ、現状では、高齢者それがたとえ運転困難者であっても一般のアメリカ市民と同様に自由に運転することを重視している文化であるとの理解に基づいている。

日本では、いまだに高齢者が危険な存在であり自動車運転から排除しようとする、人権に配慮のない粗野な思い込みが、警察庁をはじめマスメディアまでに見られる。1995年当時アメリカの65歳以上の人口予測は2030年には20%ほどになるとのことでであったが、日本ではすでに現時点でこのレベルにある。何もしなければ人口増加と同様に高齢者が関与する交通事故の増加は当然のことである。

ニュースレター記事に戻ろう、

一般論のように言われている、高齢運転者は本当に交通の脅威の主力になっているだろうか? このような作り話が生じたのは、交通事故死者の集計のうち、運転距離の関数として表した年齢グループ別死者の分布に由来しているのではないだろうか。運転免許保持者10万人当たりの事故統計で見れば、高齢者群は最も小さい事故率のグループであることが分かる。歩行者との死亡事故との関与に至っては、高齢者層は、20歳運転層の20分の1以下である。

高齢者の運転が安全な主な理由は、運転の必要が最小限であることばかりでなく、自己判断の選択により運転していくべき場所や、いつどんなにして運転するか、たとえば運転を昼間に限ったり、安全と思う道路を選んだりしている。また高齢者は運転経験が長いこともリスクを少なくしている理由である。

研究の結果は、大部分の高齢者は機能的な反応の遅れや視覚障害の限界までは運転を継続することができる。考慮すべき重要なことは、欠陥があっても安全性を補う手段があるか、あるいは、運転をやめるかの妥協が必要である時点である。

しかしながら、痴呆のような“自己制御”ができない特有の理由で、身体的な障害や視力減退などを認識し、自己判断で運転をやめることを認識することができないグループである。その結果多くは自分の運転をやめるべきことに気が付いていない場合で、家族や、公的健康機関が個人的に運転をやめるよう助言することが必要な場合である。(アルツハイマー患者の場合、発症して3年を経過した後に少し普通のドライバーより事故率が上がる程度である)

また、身体的な障害による運転の能力の低下を認識していながらもそれを否定することにも問題ある。それは、非常にはっきりした事故の災害を経験するまで受け入れない心理的な理由ばかりでなく、実際に多くの人が可動性を明確に失うことで、運転をやめるとは言えない事情があるのが問題である。

フロリダのプロジェクトで警察が欠陥ドライバーを呼んで助言するプログラムを考えたが、そんなに効果をあげたとは言えない。大部分の、助言が必要とされ紹介された者たちが単純に否認するか、プログラムに参加することを拒否することが多いからである。

社会政策として、運転不適当な運転者の移動性を保証する計画や努力、また実際の多様な交通手段が必要である。このような研究や実現化がいたるところで始まっているが更に行われるべきである。

高齢者が運転限界に来た時、歩行が最も重要な交通手段となる。それにはよくデザインされた歩道が提供されるとも必要だが、歩行困難な高齢者も増加する。特に、郊外では高齢化住民がますます主力となり交通が困難となる。

アメリカの文化は、ドライビィングは個人の独立と誇りを意味する。このことを重要な事項として認識すべきである。この視点での対策としては、車の設計や道路のデザインとともに、DMV(自動車局)をはじめコミュニティー組織が、運転不適当者の識別や、そのカウンセリング、リハビリに関与することにより高齢者は生涯出来る限り長く安全に運転できるよう助けることである。

最後に、いろいろな新しい技術や手段により高齢者の安全が補助できる様になろう。赤外線暗視装置が視距離を広げ、スマートクルーズが車間距離の保持に役立ち、これら補助装置は運転の負担や運転操作の短時間の反応の必要性を軽減する。衝突防止装置はすでに、近くの障害物や後退の時役立っている。

衝撃の少ないエアバッグで、傷害を受けやすい高齢者の運転手や同乗者を守ることもできる、携帯電話や、GPSナビゲーションシステムも役立つだろう。コントロールの標準化と注意深く人間工学に基づいた計器盤なども重要だろう。

私の視点

道路交通は皆のものである

高齢者人口が増えるほどに、これらの人々の安全な道路交通の重要性が増すことを忘れてはならない。

[1] Improving Safety for Older Drivers

University of Calfornia Bercley, Institute of Transportation Studies

Tech Transfer Newsletter Winter 2000. By John W. Eberhard, Ph.D.

http://www.techtransfer.berkeley.edu/newsletter/00-1/elder.php

[2] IMPROVING TRANSPORTATION FOR A MATURING SOCIETY

http://www.aamva.org/AAMVA/DocumentDisplay.aspx?id={45EA70E2-E2D0-4808-805A-ECA4BB3A8F9F}

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