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学齢期の交通事故 歩行、自転車交通の場合

2009/12/05

交通事故の年齢区分別データベースから、自動車運転免許年齢に達しない子供の事故について考えてみた。

比較のためイギリスの統計データについても見ることにした。以下にそれをグラフにして示す。

日本の歩行自転車の10万人事故 

 

イギリス歩行自転車事故10万人当たり

年齢区分の方式が異なるが該当人口10万人当たりの割合で描いているので直接比較することができる。ただここで注意しなければならないのは、交通の利用形態の違いが分からないので、日本では、全ての年齢層でイギリスと比べ自転車の利用率が高いとすれば、自転車の単位走行当たりの事故率が高いと云う結論にはならず、イギリスに比べ危険であるということとは結びつかない。

先ず気がつく最大の特徴は、日本は自転車事故件数の割合が大きいが,イギリスでは歩行の方が全ての年齢について多いことである。両データ共、学齢期の通学時のみの事故率は分からないが、かなりの割合を占めると想定し、19歳以下の学齢期の登校手段についての統計データを探した。日本の場合見つからず、イギリスの場合には詳細に分析した報告があったので、状況的にある程度の予測ができる。Travel to School, Department for Transport.

日本の公立学校では、小学校の通学手段は100%が歩行、中学では自転車通学も認められており、高校では公共の交通機関の利用もある。

イギリスの平均的な例では、5-10歳では歩行が52%、車(バン、スクールバス)が43%、自転車1%、その他4%、11-16歳では、歩行が41%、車(バン、スクールバス)27%、バス(公共)24%、自転車3%、その他5%とされている(2006年)。もちろんロンドンのような大都会と、地方との違いも分析されている。これで見ると、日本とのはっきりした違いは、徒歩での登校がイギリスでは40-50%、一方自転車登校は1-3%と極端に少ないことである。歩行と車利用での登校の分布条件は分からないが、登校に大人が常に同伴する率は7-10歳までが85%、11-13歳が31%となっている。

以上の条件を考慮して二つのグラフの違いを見てみると、歩行についてはあまり大きな違いがないことが分かるが、自転車については日本が非常に多いことが分かる。もちろん登校時の事故だけではなく子供の生活様式の違いが分からないと考えようがないが、社会的にみた場合、重要な交通問題であろう。

登校時の大人の同伴率については、日本の場合、小学年齢では、みどりのおばさんなどボランティアによる部分同伴や、集団登校などの効果が、同伴率85%のイギリスの場合とあまり変わらない安全性を達成していると見るべきであろう。それに比べ、中学高校年齢の自転車登校中と見られる事故が多いのは、自転車通学の比率が高い結果ではなかろうか。

日本の社会構造の変化、都市住宅の近郊分散や、地方での学校統合などにより、平均通学距離は急激に拡大しているであろう。イギリスでも、1996年からの10年間で登校時間が10-15%長くなっていることが上記の報告に記載されている。このような変化に対し通学の安全にかかわる重大さを認識して対応すべきであろう。

警察庁は、運転免許保持者に規制をかけることしか興味がないようだが。日本も遅きに失していると思えなくもないが、

子供の安全保護の面からみても、科学的で合理的判断に基づいた交通安全研究と、その効果的な実施機関を独立な国家機構として設ける必要を思う。

Statistics2007 Road Accidents Japan,  http://iatss.or.jp/english/statistics/pdf/st2007.pdf

Road Casualties Great Britain:2007,  http://www.dft.gov.uk/adobepdf/162469/221412/221549/227755/rcgb2007.pdf

Travel to School,   http://www.dft.gov.uk/pgr/statistics/datatablespublications/personal/factsheets/school.pdf

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