自動車保険までが談合して高齢者ビジネスを始めようとしている
1996年アメリカの圧力に屈しきれず、1998年より自動車保険が完全自由化された。それまでは任意保険料率はどの保険会社も横並び、おそらく料率算定は警察庁あたりの天下り団体で行われていたのであろう(憶測)。ともかく、自由化後、運転経歴や、車の利用形態などいろいろな工夫で保険料の値下げ競争が始まった。
新聞報道によると、若者の人口が減り新規加入の高額被加入者が減ったため保険会社の経営が苦しくなり高齢者の料率を上げようとする談合が行われていると云う。その根拠は警察庁がキャンペーンしている、「高齢者の交通事故激増」をうまく利用しているとしか思えない。このブログで何回もレポートしているように、自動車運転に関し、”高齢運転者が特に危険であると云う事実はない” と云う統計結果がはっきりしていて、最近の警視庁データを始め、欧米では数十年前かから周知の事実である。以下は警察庁に送ったPDFファイルのURLである。当然の如く、警察庁からは何の応答もなく無視の形だが、最近は上記のようなキャンペーンは目立たなくなった。 http://drivingsafely.hp.infoseek.co.jp/SafelyPlan.pdf
ところが、自由競争になったはずの保険会社が独自の統計データを使わず、警察庁のキャンペーンを利用して談合を再開しようとたとしか思えない。自動車学校の経営を助けるために始めた高齢者講習の有料講習の法令化と同じように、今回は保険会社が増大する高齢者人口に目をつけたとしか思えない。
どうしてこうなるのか、本来運転者に属するはずの自動車運転保険が、自動車に付属している制度が現在の実情に合わない原因ではないだろうか。同じ車を家族が運転することが多い現在、家族の若年者が運転する場合には保険契約のとき登録して割増保険料を払うように、高齢者が運転する場合も一律に高額保険契約をしなければならなくなるのだろうか。40年以上無事故で保険を使わなかった経験者からも割増料金を集め経営を成り立たせようとするのか。保険会社は独自の統計データを持って経営し、個々に商品を開発するのが仕事で、法令を作らせるよう各社談合をする理由はない。
同規模の自動車事故の場合、高齢者は他の年齢層に比べ3倍以上死亡につながり易いことは統計事実であるが、これは運転者に限らない、同乗者でも、事故の被害車両の乗客でも同じである。保険会社は、被害者に高齢者が含まれる場合、高齢契約をしていない車の事故では申告義務違
反を適用し保険料を払わないと云うのであろうか。これは高齢運転者とは関係のない話である。
新聞記事には、日本の高齢者の交通死亡事故は全体の50%以上と云う警察庁の発表を引用していたが、これは歩行者、自転車を含め自動車との間で起こった全交通事故死者と思われ、高齢運転者が運転中加害者となった場合とは無関係な資料であり、高齢運転者の保険料を上げることとは無関係である。高齢者から運転を取り上げ、危険な歩行や自転車交通に追い出せば、ますます日本の高齢者交通事故死は多くなり、先進国として恥ずかしい結果になることは目に見えている。右のグラフのように、欧米先進国では、高齢者の交通事故死者と高齢者人口比との間の関係は、人口比よりわずか多いだけである。日本だけが突出して高い統計値を発表している。これを見ても日本の高齢者の交通インフラが遅れいている社会構造であることが分かる。交通管理者としての責任をどう考えているのか知りたい。
最後に、印象であるが、欧米で運転していて気づくことは、住宅地や公園近くの保護された区域以外の一般道路で、老人や幼児が自転車で交通している状況を見たことがない、見るのは運転免許を持っていて、車の特性を知っていると思われる若者や通勤者らしき壮年の人たちである。