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参院に提出された臓器移植法の改正案の疑問点

2009/07/04

衆院を通過したA案は、衆議院議員のどうでもよい早く済ませたいという態度の表れを証明した形となったが、参院での審議は、恥ずかしくない知的レベルの下で行われるであろうか。とは言っても、よくつかわれる慎重審議「時期尚早」と云う言い訳で無為に時間を延ばすことも無責任な背任行為である。

千葉景子氏に対する朝日新聞のインタビュー記事の改正案説明では、脳死の位置づけを臓器移植の場合で「人の死」(検討中)とある。これはいろいろな意見がある中で、臓器移植を支持する人の最も受け入れられやすい原則ではあろう。ただし、社会的には、誰が脳死判定を申請し、どんな組織で脳死判定を判断するのか、限られた時間内にその時点での医学的データにより判断を下すことが重要であり、後で医学的、あるいは法律的に責任を生ずるリスクを避けるに十分で有効な記録をどの組織で総合的に保存するか。このようなことを先に決めてその条件を明らかにして始めて審議できる問題であろう。

両案に共通している「親族への臓器提供優先」の項目。社会的に見た場合あまりにも ”素朴” すぎると思う。親族とは何を指すのか、戸籍上の親族とすれば、遺産相続の場合に見られるように問題がい多い。死亡者からの臓器移植の原則は ”提供者と受益者の関係は秘密に保たれる” と云うのが常識と思っていた。

子供の場合、脳死臨調を提案しているが、詳細は説明されていない。今までの行政系の審議委員や有識者の人選は、各界の管理職経験者が多く形式的手続きと云った場面が多い。たとえば、医療関係の各種審議委員会でも、病院や大学管理職経験者、学会の理事など、管理者側に都合のよい耳障りの良い人たちを集め、官僚の免責に使われている様にみえる。

何となく、核心に触れると法案が通りにくいのであいまいにして法案を通そうとするのが見えている。とはいっても、先延ばしにするのが良いと云うのではない。

一つの提案として、世界の学会(医学だけでなく、社会や法律)で論文が広く流通し、評価されている現役の研究者で構成された委員会を組織し、一般的な利害を明らかにし、法案の利点や問題点を明確にして参院に提案すべきであろう。

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