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相続・贈与税制度と高齢者の公的医療・介護資金

2009/04/05

日本の場合: 生前相続に対し相続税を減免する話が出ている。ただし、免税になるのは、家を新築したり、自動車を買ったり消費につながる使途に限るような話を聞く。

アメリカでは、現在段階的に減額になっていて、2010年には相続税は廃止になる。

日本の政治家はアメリカの例を見て思いついたのか、消費景気の上昇に高齢者の資産に目をつけた。政治家は景気の刺激策も大切だが、自分たちや、官僚の権力の源である税金の配分権を確保したいこともあって、全廃による税収の減るのは困るだろう、消費に限ると云った姑息な手段を考えているのではないかと見える。

家計金融資産1,400兆円の分析     国立国会図書館 ISSUE BRIEF NUMBER 491(AUG.11.2005)   家計調査貯蓄状況

財政金融課(小池拓自)

http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/issue/0491.pdf

現在の大きな社会混乱の一つに、高齢者医療や、介護保険料を本人の了解なしに現金で高齢者に求めようとすることの矛盾である。しかし、所有資産は上の表のように、わずか16%の70歳以上の高齢者世帯が総資産の33%もの保有率である、これに固定資産を加えればさらに増える。それに対し、高齢者医療特別会計からの支出や、介護交付金の総額はどれほどか、政府系のウエブを検索したが簡単には明確なデータを検出できなかった、おおよそ年間5~8兆円か? もちろん、資産の個人別保有分布がわからなければ、総額だけでは、どれほどの割合の人が十分な老後の生活資金相当額を保有しているのかは分らない。

こんなに資産を持っていながら高齢者は資産をどうして自分たちの質の良い生活のために消費しないのだろう。一口に老後の不安と云ってしまえばそれまでだが、先は短いと思っても、自分や配偶者の生活の終末が、いつどのような状態で来るか分らない、このわかりきった理由のために、蓄えた財産を安心して消費できない。また、現在は、老人も若い家族に負担をかけたくないし、若い世代は、高齢者の医療や介護は家族の負担ではなく、国家の責任との認識である。しかし国家にはそれに見合う税収は無い。

このパラドックスから逃れる策はないだろうか? 別のパラドックスを生むかも知れないが、

資産保有者が、医療や、介護が必要になり公的支援を必要とした場合、支援を受けた高齢者がその生涯を終えたとき、その人にかかった高齢者医療や介護支援の公的費用を、支払機関が遺産から清算する第一優先権をもつ、その人の財産に残額があれば、相続権者が相続する。もちろん、はじめから資産が無かったり、生存中に担保価値を超過した場合にも公的に継続して負担し差別はしない。こうなれば、官僚的な習性から、75歳になったら財産を担保に取ると云いかねないが、年齢や健康状態には関係なく、自分の蓄財による支出や、家族の支援を受けて公的支援を受けない自由も保障し、その間は資産は担保には取られないことはもちろんである。そんな格差を認める制度は不公平で話にならないと云う人もいるかもしれないが、以下のような現状を見た場合、相続税制度とどちらが公平だろうか。

両親の医療や介護を放棄し、費用を公的負担に任せ、それによって支出しなくても済んだ蓄財を、当然の如く相続権者が分配する、これは社会的に見て公平だろうか。もし、アメリカのように相続税がなくなったらなおさらである。

一方、資産があるなしにかかわらず、公平に老後の公的支援を受ける権利があり、財産を自分のために使おうと相続権者へ配分しようと、それは、個人の犯すべからざる権利である、という哲学もあるとは思うので難しい問題ではあろう。

2件のコメント leave one →
  1. 不明 のアバター
    nobuhiko permalink
    2009/04/06 10:25

    こんばんは。退役軍人です。ご存じかも知れないのですが。OECD等で公開されているデータをまとめた資料を公開しているサイトです。こちら↓http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/index_list.htmlちなみに、私はなんらかのデータを参照したい時は、まずここを探してみます。参考になれば良いのですが。失礼いたしました。

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  2. 不明 のアバター
    敏朗 permalink
    2009/04/06 14:32

    退役軍人様こんばんわ社会実情図録は以前リンク情報を利用させていただきました。膨大な資料の収集力には敬意を感じています。コメントもさせていただきました。では、またご意見を寄せていただければ幸いです。

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