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障害を受けやすい交通利用者の安全、 三つのOECDレポート

2009/03/28

日本も加盟しているOECD(経済協力開発機構)は、長期にわたり交通に関する研究組織を持ち、加盟国の重要なデータの標準化と収集、統計解析など科学的成果の刊行物や、主催した各種国際会議の記録を数多く公表している。

昨年パリで行われたホーラム、国際交通ホーラムにおいて「障害を受けやすい交通利用者の安全:子供、高齢者、歩行者」、Kate McMahon の要約を見た。 http://www.internationaltransportforum.org/jtrc/safety/Paris2008/08McMahon.pdfThree OECD Report 2008

発表者はイギリス政府の交通局道路交通プログラム・マネージャーを務め、主に科学者集団の交通関係の研究に責任を持つ職にあった女性である。彼女の教育歴を調べたが得られなかった。

上記のpdfファイルは、彼女の研究グループや、膨大な収集資料、論文閲覧からの証拠に基づく交通行政への提言と云えるものと理解した。その中で骨子と思われる項目を整理して見た。

基本思想として、現在のOECD加盟先進国では、道路行政が、機敏な壮年の男性の運転行動を標準として、道路建設の効率化技術や低いコストのみに注目しているのは間違いで、社会の高齢化にともない、急激に増加している障害を受けやすいグループの保護対策に焦点を移すべきであると云う趣旨が見られる。

歩行者は、OECD参加国では交通死者の2番目に多いグループである。歩行者保護の道路基盤の対策が必要で、住宅地や市街地では歩行者のためのスペースを確保し、西ヨーロッパの各地で実験されている様な、いろいろな障害物や、視覚的情景を利用し、車の速度を物理的に低下させる工夫が必要である ”トラッフィク・カルミング(Traffic Calming)技術”。また、子供の行動についてはもっと科学的な研究が必要である。

高齢者に関しては、OECD参加各国では急激な人口増加により、いまや道路交通の少数者ではなく、重要な利用者となり、道路構造や、交通運営から除外することは出来なくなってきた。このためにも、科学的な実証に基ずく高齢者の運転状況を把握し、助けるための施策が不可欠となった。

高齢運転者に関しては、思い込みを排除し、実証に基づく施策が必要である。

・高齢運転者層は歩行者との事故に過大な関与はしていない。

・高齢者は肉体的に虚弱で事故に遭遇したとき死亡につながり易い。

・高齢による交通の困難さは、歩行を伴う交通手段の方が早く始まり、自動車運転の方が遅くまで利用可能である。

・高齢者運転は他の年齢層に比べて事故率は高くないが、死亡や重症リスクが大きい等の明確な理由により単純な数値では大きく表れている。

・生涯できるだけ長く運転できるよう彼らの努力を支援すべきである。

・年齢区分による運転訓練の義務化はすべきではない。

・運転の適性と訓練は、医学的に明確に障害を持っと診断を受けた運転者に限るべきである。

・道路構造と標識は、寛容で、予想がしやすく、短時間に判断を強要することの少ない方式に変える努力をすべきである。

・高齢者を交通政策の開発に関与させることが必要である。May 2008

・自動車の設計は、利用しやすく、乗員の保護と技術的支援の向上を目指すべきである。

以上が私の抜粋である。詳しくは上記のURLから全文を見てご意見をください。

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