高齢者の交通手段と事故遭遇率
高齢者の交通手段による事故遭遇率の違いを調べようとしたが、直接分析できるデータベースが見つからないのでイルダ・インフォメーション(ITARDA)2007 のグラフを引用してまとめてみた。 http://www.itarda.or.jp/info68/info68.pdf
図8は乗用車運転中の事故頻度(1000x関与者数/該当年齢層の運転免許保有者数)で、これを見ると75歳以上の年齢層(緑色)は最も事故率が低い層に属している。警察庁や地方警察が高齢者事故激増と云うのは誤りであることがこれを見ても分かる。確かに高齢者の事故数は増加しているがそれにも増して高齢者の運転人口が増えているからである。
図12は歩行中の事故頻度で、こちらは75歳以上の高齢者層(緑)が他の年齢層の2倍以上の高率である。高齢者にとっては道路歩行が最も危険であることがわかる。
図7は75歳以上の交通手段の構成率推移で、歩行と自転車交通が減りその分自動車交通が増えている。これが12図に表れている高齢者の歩行事故率の減少の原因かもしれない、このように高齢者はより安全で体力の負担の少ない自動車運転に移っていることが分かる。この事実を無視して、高齢者の運転はさも社会の迷惑と云わんばかりのキャンペーンをするのはどうしてだろう。高齢者マークをつけさせたり、高齢者運転教習を義務づけたり、高齢者の交通手段を困難にすることは生活の質に配慮のない蛮行である。
データ分析をしようとして警察庁のホームページを調べたが、関連するデータベースはどうしても見つからなかった。そればかりか、日本も加盟している国際機関OECDのデータベースIRTADを調べていたら、どうにも理解できない日本の恥になるような奇怪な報告がなされていることを見つけた。それは、IRTAD Database, November 2008 — Fatalities by age の国際比較表で、日本だけが65歳以上の死者率が全体の48.4%となっていて欧米諸国の14~22%に比べ突出して大きい値になっている。本当に日本の全交通事故死者の半分が高齢者で占められているのであろうか? 日本の次に高い韓国でも27%である。間違いなのか他の諸国と異なる統計法を行っているのか信じられない報告である。 http://www.internationaltransportforum.org/irtad/pdf/age.pdf