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高齢者運転マークと高齢者運転教習の強制の不合理 何十年も無事故を続けてきても高齢者は交通犯罪者か

2008/11/28

最近朝日新聞で高齢者運転についての「耕論」11月23日13版の記事を受けて声の欄で高齢者からの二つの投書を見た。問題点は、①高齢者の運転事故率は他の年齢層に比べて多くない。②75歳という年齢だけで運転不適格者と云う分類をすることの人権無視。そして③高齢者マークを表示しないと無事故・無違反でも犯罪者扱いにする。この三点の不合理に要約できると思う。

この法律の根拠となっている”高齢者は事故率が高く、社会に重大な危害を与える”、が科学的なデータ分析ではその証拠がないことは警察庁自身の国際機関OECDに報告しているデータベースでも明らかに示されている。高齢者運転が危険と云うのは思い込みや迷信であるという報告はすでに20年も前にヨーロッパの研究機関により発表されている。

先の「耕論」で特集の見出しには、警察庁のデータベースからと思われる高齢者人口10万人当たりの事故当事者の死者率がグラフに示されていた。これだけを見ると確かに高齢者は死者が多いが、同様の統計から高齢者の交通事故率を調べると、この場合は10年以上の運転経験があると見られる年齢層と、高齢者の事故率はほとんど変わらない。事故死者率と事故率との違いの原因は明らかにされていて、高齢者は、運転中であろうと、同乗者であろうと同じ規模の事故の場合、死亡につながる割合が他の若年層に比べて3倍から4倍大きいことである。この効果含めて社会的に見ると、高齢者は交通被害者であって加害者としての比率は他の年齢層に比べて小さいと云える。その他、外国の研究論文では、高齢者の死亡事故の特徴や、運転環境の違い、軽両車種か重量車種の違い、道路構造や信号方式など、様々な要因を考慮した分析がなされている。警察庁がこれらの結果を完全に無視して、高齢者運転が危険であると思わせたり、高齢者が起こした目立やすい事故の例をことさらに取り上げてキャンペーする知性のなさが不可解である。

想像してみてください、一度でも事故の加害者となった運転者は、その程度に応じ、死亡事故を起こした運転者は”骸骨”マーク、傷害事故は”骨折”マーク、危険運転は”赤色”マークを強制的に表示させる。こんな法規が日本で支持されると思いますか? それと同じことが落ち葉マークの強制ではないでしょうか。高齢でない方も、いずれ高齢者になると云う事を合わせて自分のこととして想像してみてください。

警察庁は高齢者を守るためと説明していることは知っているが、本当にそれだったら、高齢者マークの車に対し、運転妨害など違反行為をした他の運転者の罰則を法規で強化するのが自然でしよう。当たり屋が高齢者の車を狙って追突させた時、警察は高齢者の運転ミスとして処理するつもりだとは思いたくないが。

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