道路交通安全の実績 日本とイギリスとの比較
JOINT TRANSPORT RESEARCH CENTRE OF THE OECD AND THE INTERNATIONAL TRANSPORT FORUM 2008
COUNTRY REPORTS ON ROAD SAFETY PERFORMANCE
http://www.internationaltransportforum.org/jtrc/safety/targets/Performance/performance.html
上記の資料に基づいて比較的地理的な交通事情の似たイギリスと比較してみた。
データはそれぞれの国が発表した概略値であって統計的な詳細が不明なので詳しく分析できないが、下図の人口十万人当たりの年齢別死者数を見ると日本では高齢者の死亡率が高いことが分かる。
第一図 日本 第二図 イギリス
右のグラフは2004年についての比較で、日本は、高齢者の死者が顕著に多い、また6-14歳の学齢期の死者も多い。他の年齢層では、日本の死者数はイギリスの60%程度で交通安全性の高い国と云える。この原因を考えてみると、詳しいデータが無いのではっきりしたことは言えないが、日本では歩行者が多い年齢帯で死者数が多くみられるのではないだろうか。
下のグラフは、交通方式と死者の関係で、日本は自動車交通に比べて、歩行や、自転車交通の死者割合が高いことがわかる、この結果から推察できる事は、歩行や、自転車での交通手段を利用する割合が多い年齢帯で死者数が多いのではないかと云うことである。状況的に見ると、日本では学童の通学は歩行と自転車であり、欧米先進国は保護者の運転する自動車か通学専用バスであり大きく異なっている。また高齢者も公共のバスや、電車を利用するためには歩行が必要であり、また高齢者の自転車利用も多い。このことが、日本での高齢者や学童の事故死が多いのであり、この基本的な交通方式を考慮しなければ、交通弱者保護と云うだけでは解決出来ないように思う。
足腰の弱った高齢者にとって自動車運転の交通手段は唯一のものであり、また安全である。前にも何回も書いたが、どの科学的統計を見ても高齢者運転が他の年齢層の運転者に比べて社会に危害を与える証拠はない。ただ高齢者運転者の数が増えたために事故数が増加しただけのことである。
第四図 日本 第五図 イギリス
交通事故統計には、歩行中の単独事故(躓いたり、滑ったり)が入っていないので、このデータを取り統計に入れれば道路交通の死傷統計は歩行が最も危険である実態を知ることができよう。
統計ではなく、旅行中に見た感じだが、自転車の盛んなヨーロッパでも、自転車は若者の交通手段であり、日本のように高齢者の自転車はあまり見かけない。 欧米を数万キロメートル運転経験を持つ自分としては、日本の運転者は特に際立って無謀運転しているとは思わない、むしろ規則を守っている方だと感じている。監督官庁の警察関係の人は、日本の運転者に規制を強化し教育しないといけないと云いたいでしょうが。第三図のような恥ずかしいデータを国際的に発表しなければならないことについて、交通システムの不合理な管理運用の責任が大きいことに気ついてほしい。
警察庁関係のどれだけの人が自動車交通先進国で生活し、各種交通状況を体験した上での見識を持っているのだろうか。