世界大学ランキング 朝日新聞特集記事から
東京大学をはじめ日本の大学が日本の経済力や人口・教育水準にに見合った順位にない感がある。これはどこから来るか。この記事の中で関係各大学の指導的立場の人のコメントは正しい一面を云っていると思う、がひとつ抜けていることを感じた。それは、日本の大学が、世界的に認められている大学に比べ、外国人の大学院生の教育に積極的でないことにあると思う。一見研究業績至上主義の自然科学系の研究者のコミュニティーでも、人脈と云うか、人と人とのつながりが大切であることをしばしば実感した。学会誌における研究論文の採択でも、その分野でどんな研究をしているのかを知っている知人が多いほど早く理解される。特に独創的な研究では、研究者仲間といえども理解してもらうのは、学会発表の席だけではむずかいことが多い。大学院での師弟関係や、同僚との間で研究内容を知られている事ばかりではなく、人物を含めた繋がりの中で注目されることが評価の始まりとなる。
人文・社会科学系ではこの関係はもっと重要であろう。先日のブログに書いた主要国の中央銀行の総裁の経歴を調べた結果でも見られるように、これらの人々は、学位を持ったり、主要大学での教授歴のある人が殆どであった。世界的に評価されている大学院は、世界からの優秀な留学生が集まり、これらの環境から必然的に各国との指導者層の間に人的つながりが生まれる。この関係が、経済のような複雑な利害関係を生む交渉の場での理解にも重要と思われているからであろう。 2008/03/23 日銀総裁 いくつかの国の中央銀行総裁 その経歴の違い
極端な言い方をすれば、日本の主要大学の文系学部は、学部主流の業界学校と言えなくもない感がある。22歳卒業とともに一組織の中での力学に精通し管理職の席を取得しただけでは、国際性はおろか国内の他の組織間でも名刺がなければ(肩書き)通用しない人物としかなりえない。
日本の大学の文系学部の課題は、世界にDr.やProfessorの指導者を送り出す国際的な教授陣の採用と、世界から大学院生が集まる環境を整えることのように思う。これは、社会の指導層に学問至上主義を主張しているのではなく、世界に理解を得られるためには個人的なつながりが大切である、それが生まれる場としての大学院環境が大切だということである。