国民は「うそつき」と言う原則の社会
2007/06/01
ショッキングな表題だが、残念ながらこれは日本の話である。
年金関連法案が成立したが、国会討論の中で安倍首相が「申請者全員に支給せよと言うのですか」と言う答弁をしていた。
保険を管理している官庁に申請者がうそをついていると証明する資料がない限り、申請を認めるしか方法がないのが当然の原則と思う。
なぜならば、社会保険庁の記録保存に信用がないことが判明した現在、やむを得ないことではないか。責任は管理官庁が負うべきものであろう。
個人が信用できないと言う原則で成り立っている社会とは、役所から学校、警察、銀行、就職、交通機関まで、何か申請するには必ず証明書が必要になる制度のことである。証明書は主に市町村の窓口で行われ、その事務のための経費を計算したら膨大な社会損失になるであろう。
今回、時効を撤廃する法を「救済法」と言う表現はさすがに引っ込めたが、組織の横暴は、たとえば鉄道では、乗客は料金をごまかす者との原則で、だまされないぞと言わんばかりの設備を投入して集改札の管理をしている。それより最新の安全設備に投資してほしい。乗客管理について、欧米の鉄道を利用したことがないかと言いたくなる。
この習慣は、公共の組織ばかりではなく、町のスーパーマーケットでも、たとえば特売商品でレジがたまたま値下げを知らなくて、客が価格を言って抗議した場合、レジは当然のごとく客を待たせて売り場まで見に行って確認する。これが当たり前のことだろうか?
残念ながら日本の社会では、自分が信用されなくても不愉快を感じないほど慣らされてしまっている。
その感覚が、首相の答弁になり、聞いている方もなるほどと思うことになるのではないか。
象徴的な例だが、JRの乗車券には有効期限があり、使用しなくてもこの期限が切れれば返金されないと理解しているが、こんな理不尽な規則はないと思う、座席券の様に定員で発売しているならいざ知らず、満員で乗れなくても責任のない、現金先取りで発売した乗車券、使用しなかったからといって、JRに何の損害も与えていないはずである、こんな不当利益はないのに違法行為とはされていない。
航空料金の場合、IATAの正規料金で購入した航空券は1年間通用し、同じ路線ならば他の航空会社共通に有効である。もっとも、最近は割引料金の航空券が認められるようになった、その場合は購入時の契約条件に従うのは理解できる。
外国旅行のとき、出入国管理局の役人に、なんの疑はれる根拠もないのに失礼な注意を平気でされたことは1度だけではない。管理局の役人はその道のプロであるはずで、疑問に思ったら、雑談か冗談で相手の反応を確かめるなどの余裕があってほしい。
共産主義や官僚国家ならいざ知らず、民主主義国家でこのような制度を続けている国は少ないと思う。もうこの辺で、ちょっと考えれば不合理なことの多い制度から脱却し、成熟した社会になる時期ではなかろうか。
No comments yet