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敬語にまでマニュアル

2007/02/03
文化審議会・敬語小委員会の敬語の指針が決まったとの発表があった。
敬語にまでマニュアルが必要なことであろうか、国民の多くが使用に困惑を感じていると言うが、敬語を乱用しているのは一部のビジネス(ホテルのような接客業、最近では病院の人間ドックのフロント係)、われわれを皇室の方々に使うような敬語でくすぐってくれる。
役人も、不祥事を起こしたとき、最上級の敬語を使って監督官庁の組織を表現し、その御指導に従ったと言うような言い訳をする。
敬語は、対人関係の間で相手の人格を理解した上で使われるもので、役所や、会社のような組織に対して使われるのには違和感を感ずる。
 
どんな人が審議会委員かを調べてみた。名簿には、名前と職業だけしか載せてない。職業や役職名からある程度社会的にどの分野に関する見識があるかを推察できるが、数名の大学教授に関しては研究分野が分からない。委員の中に、他言語の文化に精通し、他言語の社会に溶け込んで文化的貢献をした経歴の持ち主はいるのだろうか。国語だからと言って日本文化だけに浸かっている人の意見だけでいいのだろうか。
 
英語は「敬語が無い野蛮な言語だ」とどこかで聞いたことがあるが、それが正しいかどうかは別として、機械的に、マニュアルに従った敬語を使うのが文化的な美しい言語であろうか。教育の場面ではそれよりも、日常英語を使う人口は世界的に見て小数であるのにもかかわらず、グローバルに通用している現実を考えるべきと思う。
 
言語は生き物である。にもかかわらず、国語の問題になると国語学者や、国語教育関係者のコメントをだけを載せるといったメディアも、固定観念に陥っているとしか思えない。現在、科学、芸術、そのほかの文化的分野で、外国でその国の言語を使い、その国の社会組織に溶け込んで評価を受けている日本人が多くいる。国語審議会はその人たちの意見を聞いてみたらどうだろう。
 
1970年頃の経験だが、敗戦後まもなく(1950年代)にアメリカにわたった日本人の家庭に呼ばれたとき、そこで話されている日本画が正しい日本語のように感じられた。しかし、それは10年以上凍結された古い日本語であっただけのことであった。当時、ある人が、十数年ぶりに日本に帰り、東京でタクシーに乗ったら運転手に、「貴方の日本語はずいぶん”錆びて”いるが何処から来たのか」と言われたと言う話を聞いたこともある。
 
ともあれ、国語学者や、日本で言語を使う職業人だけで作ったマニュアルが、現実の社会で生きるものになるかは疑問である。
2件のコメント leave one →
  1. 疎林 permalink
    2007/02/03 07:01

    最近更新されたブログよりお邪魔しました。
    自ら地球物理学者を名乗られる方、果たしてどのようなブログをお書きかと半ば興味につられてやってまいりました。
    流石に、取り上げられているテーマは高尚だというんでしょうか、正統派だと感じました。
    全編に渡り、自己主張をさりげなくされている点にも感心いたします。
    ただ、その論点、何かボタンの掛け違えはありませんか。
    取り纏めるという視点に欠けていませんか ?
    社会に流れを作っていくには、小を捨て本流を形作っていくべきだと思うのですが。
    全てを取り上げつらえては、私のささやかな経験では、一つとして纏まったものとなった記憶がありません。
    言語は生き物、しかし、それは野放し状態を追認するものであってはならないと考えています。
    芯を決めるは、やはり専門家、それは言語学者であるべきだと思うのですが、
    大人に失礼を申し上げました。
     

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  2. 敏朗 permalink
    2007/02/03 16:44

    忘己遠歩 様
    ご指摘の通り、それでお前は何を云いたいのかといわれればその通りの文章だったと思います。
    古典文学にご造詣の深い 忘己遠歩様には、国語学者を無用呼ばわりにした不遜な議論と受け取られたのかも知れません。
     
    だだ国際的に見て、日本の言語教育で最も必要なのは、相手の意見を正確に把握し、それに対し自分の意見を論理的に表現できる訓練であると考えています。自分自身についてもその能力不足を実感していることから、ついあのような「つぶやき」となってしまいました。
     

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