コンテンツへスキップ

また起きた尊厳死問題

2006/03/27
  安楽死、尊厳死の議論はどれだけしても、一定の法則はないと思います。

私は、現在起こっている問題は別のところにあると思います。本人の同意を得たとか、家族の同意を得たとかいう問題が起こるのは、法的に有効な記録を残すシステムが無いからです。これには、医療機関からの要請で裁判所が24時間公的記録を取る体制を作る以外方法はありません。

現在各医療機関で、倫理規定などのマニュアルはありますが、医療現場の関係者が限られた状況で裁判に耐えられるような完璧な記録を残すことは不可能です。

患者や、家族と信頼関係の強かった医師ほど、こういった問題に関わることが多いように思います。それは、危機に瀕した患者はもちろん、現場に付き添った家族も冷静な判断が難しかったり、疲れはてていて判断力がうすれそのときの状況をよく記憶していない、後になって後悔の念がわいたとき、悪意でなくても誰か人のせいにしたい、こういった思いは募るものと思います。

裁判所が現在進行中の法的に困難な問題から逃げ、裁判になったとき現場の揚げ足取りをしても何の解決にならないと思っています。

諸外国では裁判所がこのような問題に対応している場合があるのに、なぜ日本の裁判所はではそのような体制が取れないのでしょうか。

昨年アメリカで連邦最高裁判所が人工呼吸機を外す裁定をしたとき、世論ばかりか大統領まで宗教的な内容のコメントをして、大きな社会問題に発展した事を思い出す。裁判所の裁定どおり医療機関は実行したが、家族に対する取材で、国家がそんなことに介入する権利はないと嘆いている場面を見た。メディアはそのような場面を強調し感情に訴える手法をとるものであろう。家族の同意について補足すると、署名入りの同意書を取っておけばよいとの意見が出てくるかと思うがそんなに簡単な事ではない。

一例として、裁判所が対応する制度のあるヨーロッパで、宗教的信条で輸血するか、しないかの問題が起こって、患者本人の意思の確認を取ったとき、親族が立会する場面では輸血拒否の意思を表明したのに、裁判所への申告では輸血を要望した事例を読んだ事がある。これは、患者自身が回復したときに、同じ宗教の親族や友人を失う恐怖から異なった意思表示をしたとの調査結果であった。

この事実から、患者に付き添っていて尊厳死を決断した最も親身であった親族が、後になって兄弟や親類から非難される可能性は十分に想定される。

する制度をる。
8件のコメント leave one →
  1. ganzy permalink
    2006/03/27 10:49

    今日は、毎日新聞からの抜書きでおしまいにします。
     

    尊厳死
     父は二つの病院で2年間お世話になり、昨年秋に他界した。最後の半年は肺炎をこじらせ、ベッドで寝たきりに。酸素吸入器をつけたまま、言葉を交わすこともなくなった。
     認知症が進んでいた。二つめの病院に移る際、医師から「80歳の高齢でもあり、何が起きるか分かりません」と、まさかの時に延命治療をするかどうか、確認を求められた。
     母は「延命治療っていったい何」という表情だったが、思いついたように「主人は尊厳死協会というところに入っていますけど……」と会員カードを取り出した。
     私には初耳だった。ただ、「無理な延命は希望しないということですね」という医師の問いに、「本人が望んでいたなら」と母と2人でうなずくことができた。
     「延命治療をどうするか」は、その後、医師から何度も確認された。「尊厳死」ということが何を意味するのか、いまだによく分かっていない。ただ、家族にとって「本人の意思」を口にできるのは、ものすごくありがたかった。【今沢真】
    毎日新聞 2006年3月27日 14時12分
     
     

    いいね

Trackbacks

  1. 延命治療 臓器移植 本人の意志と 家族の希望 «
  2. 死亡選択遺書か 終末医療指示書か 終末医療プログラムの選択か 人生の終末期の尊厳に関する考察 NHKスペシャル放送後 沢山の表示を頂いている私のブログ | 退職地球物理研究者のつ
  3. 死亡選択遺書か 終末医療指示書か 終末医療プログラムの選択か 人生の終末期の尊厳に関する考察 NHKスペシャル放送後 沢山の表示を頂いている私のブログ | 退職地球物理研究者のつ
  4. 死亡選択遺書か 終末医療指示書か 終末医療プログラムの選択か 人生の終末期の尊厳に関する考察 NHKスペシャル放送後 沢山の表示を頂いている私のブログ | 退職地球物理研究者のつ
  5. 死亡選択遺書か 終末医療指示書か 終末医療プログラムの選択か 人生の終末期の尊厳に関する考察 『NHKスペシャル放送後二日間に多くの表示を頂いたとみられる私のブログ」 | 退職地
  6. 終末期医療 透析しない選択肢 | 退職地球物理研究者のつぶやき
  7. サイトのタイトル

ganzy にコメントする コメントをキャンセル

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。