高齢者の自動車運転について
2006/03/22
残念ながら依然として日本のデータは見つからない。
”Effect of vehicle and crash factors on older occupants",Journal of Safety Research 34,2003., National Safety Council and Elsevier Science の論文を見つけた。アメリカでの幾つかの公的機関が発表したデータを用い統計分析した結果を発表している。先ず基本データとして1995年と2001年における運転状況の比較をしているのであるが、その結果によると、この6年間に他の年齢層に比べて、75歳以上の運転人口や運転距離が伸びている。
75歳以上の増加率(%) 65-74歳の増加率(%)
免許人口X運転距離 51 10
一人当たりの年間走行距離 20 15
しかし、NCSAの統計によると人口10万人当たりの事故数は増加していない、むしろわずかながら減少の傾向が見られる。
2001年における運転免許保有者の人口10万人当たりの事故数は、年齢層 65-74歳が最も少なく、それに対する75歳以上の衝突事故の増減率(%)は
物損事故 -12
傷害事故 0
死亡事故 42
全衝突事故 -8
一人当たりの年間走行距離 -40
事故率が少ないのに老年者の死亡率が高いのは、年齢層による衝突形態の違いや、別の研究によると、同じ状況の衝突事故に対し、老年者は若者に対し二倍以上の死亡者が出るという結果によるものと思われる。老年者は、自分で運転していなくても同乗した車による事故でも死亡リスクが大きいということである。
再度、強調したいのは、65-74歳の高齢者が一番の安全運転層であり、75歳以上の老年者でも本人の死亡リスクは高くなるのの、社会的なリスクは高くないということである。
2件のコメント
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車に乗らない人間からのコメントです。
グラフを示しておきます。
http://www.jama.or.jp/safe/accident/accident_g2.html
これによると、60歳~64歳の自動車乗車中の事故が少ないのが目につきます。
65歳以上になると、飛躍的に増加しております。
あまりにも目に付くのは、65歳以上の人の歩行中の死者数です。
それと、もう一つ気になっているのは、交通事故数は増えているが、死者数が減っていることです。
車が頑丈になったことが、大きな原因でしょう。
車が頑丈になれば、運転者は保護されますが、歩行者の危険は増すばかりです。
なによりも歩行者保護の対策を講じた車の開発が急がれます。
でも、そんな発想はなかなか広がらないのが現状です。
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/corporate/technology/safety/walker-protection.html
以上、車に乗らない立場の人間から見た車社会への見方です。
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ganzy 様
コメントと資料のURLありがとうございました。
私も警察庁交通局のWebを見つけました。これから検討してみようと思います。
私自身は ganzy さんのおっしゃるとおり、歩行者の多い道路は遠回りして出来るだけ車で通らないようにしています。たとえば、私の経験では、アメリカやヨーロッパでは、アパートメントや団地の中などは、道路にでこぼこをつけたりしてスピードを出せないようにしたり、小さな村の中を通過するときは、運転者がスピードを出さない様いろいろなような工夫をしているのを見ています。アメリカでは、スクールバスが子供を乗降させている時は、他の車は止まって待っていなくてはなりません。このように歩行者保護は重要視されています。
ただ、日本と違うところは、自動車専用道路でなくても、実質的に自動車交通に利用している道路では、歩行者でも交通規則を無視した場合保護はありません。したがって、郊外の道路では時速90km程度の制限速度が普通で、道路標識も運転に必要な情報に限られています。
道路は、貴重な社会資本です、運転するしないに関わらず効率的に利用するのがみんなの利益になると思っています。誤ったデータに基づく交通規制は、道路の利用効率が阻害され、結果的に交通や、物流の経費を増加させる結果になると思います。
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