内部告発者は日陰者扱いか
2005/12/02
テレビで社会的な不正行為を報道するとき、告発者の顔や、声、背景の画像まで隠しての画面が目に余る。誰とも分からない首から下の画像だけの報道が何の意味を持つか、テレビ局は、”やらせ”を絶対にしないとの前提が無ければまったく無意味である。あるいは、ニュースソースの秘匿義務があるからという理由を持ち出すかもしれないが、証言者が顔を出して証言してくれる了解を取り付けるのがジャーナリズムの仕事である。
これでは、社会的な犯罪の告発者は「裏切り者」か、社会の「不満分子」といった取り扱いと同じではないか。このような社会的に正義の行動をした人たちを積極的に評価し、守り、事件後も継続的に取材活動をすることこそジャーナリズムの価値であろう。
ニュースメディアは検事でもなければ裁判官でもない、ニュース価値のある時間的制約の中で、誰でもがおかしいと思う事実を、責任を明確にして報道することに価値がある。
2年ほど前に、NHKの医療問題の告発番組で、東大の医局員の覆面告発場面があった。上記のような理由を挙げて、どのような意味があるのかを番組担当者にメールしたところ、「価値がある」との趣旨だけの返事が無記名で返されてきた。
覆面の告発画像からは、一般の視聴者には特定できないが、当事者である組織には服装や体格からでも見当が付かない筈が無く、かえって告発者が不利な取り扱いを受けることは目に見えている。メディアとしては無責任な行為である。
今回の、耐震構造偽装問題でも、殆どの報道が覆面証言で埋め尽くされている。
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