救急医療の難しさ
2005/08/24
最近、医療行為に対し患者の同意が求められる方向に進んでいる。
大部分の患者は、「すべてお任せします」 との口頭表示で医療が進められているが、後で法律問題になったときこれは有効か?
たとえば、輸血の場合、宗教的信条から輸血を拒否したのにもかかわらず輸血を行った事件で、最高裁は「患者の承諾が得られない限り輸血をすべきでない」との判例を出している。
この件では、医師が患者に十分な説得をしていないまま輸血したとの認定からであるようだ。
救急の場合や、通常ならば輸血の必要が無い手術中、または、その回復期に異常事態が起こり緊急に輸血が必要になったとき、裁判に耐える完璧な患者に対する説得の記録を残すことが出来るだろうか。そのために輸血の時期を失した場合、医師の責任は免れるだろうか。
このことは、以下の二つの基本的なことがらがうやむやになっているからではないだろうか。
1. 裁判で法律的手続きの欠陥を問題にするならば、このような決断を最終的に決定するのは、担当医師や医療機関では無く裁判所ではないだろうか。裁判所はこの問題に対し24時間対応出来る体制を作るべきである。
2. 医師が患者を説得できなかった場合、医師の医療に対する信条や哲学は無視され、無条件に患者の要望に沿った医療行為をしなければならない義務があるだろうか。
裁判所が命令権を持つ制度の国で、患者が同じ宗教の親族には、教義に従って輸血拒否の姿勢を見せながら、裁判所に対しては輸血命令を出すよう申請をしていた事実がある。
このように、患者の本当の心情を知るのは容易ではない。
医療現場の現実を見据えるべきで、法技術や言葉の遊戯で議論する問題ではない。
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